小樽市文化祭実行委員会 (川村治男会長)主催による「平成25年度第64回小樽市文化祭」が、9月26日(木)9:50から、市立小樽美術館(色内1)1階で開会式を行い、11月3日(日)まで、様々な文化芸術の展覧会を開催している。
文化祭の開催を飾る「第67回美術市展」が、10月6日(日)まで、1階の市民ギャラリーと多目的ホール、2階の企画展示室で始まった。小樽市文化祭よりも歴史が古く、文化祭のさきがけとなった。
油彩・版画・彫刻・日本画・素描・水彩・工芸の入選作品81点と、市展委員作品65点を展示。活躍する指導者の名前が所々に見受けられ、また、100号サイズの大作も多く、見応えがある。
9月22日(日)午後から夕方まで、市展委員による、厳選なる審査の結果、昨年該当者が無かった市展賞には、三部正雄さんの油彩「釧路湿原秋」が選ばれ、今回の受賞で市展委員の仲間入りを果たした。
市長賞には、金谷昭五郎さんの油彩「神威岬」が選ばれた。金谷さんは、平成4年に初めて市展へ出展し、5年間は札幌に住み、再び小樽へ戻り、絵を学びながら作品作りに励んでいた。今回9回目の挑戦で初めて受賞した「市長賞」に感激していた。
金谷さんは、「40年前に行った神威岬をモデルに、2年がかりで100号サイズに描いた大作。その頃、現在ある遊歩道ではなく、海岸線を歩いて神威岬へ向う途中の景色を描いた。断崖絶壁の荒々しい岩や石浜の石を強調し、鮮やかな積丹ブルーの海の中の石が透き通って見えるように描いた。最初、波を入れたり、空の色を悩んだ。岩を引き立たせるように空を青くしたが、市展委員のアドバイスでは、薄い色が引き立つと聞いた。受賞できとても嬉しい。これからも、受賞が力となり続けたい。色々な人に見てもらい勉強になる」と喜びを語った。
会場には、美術館館長賞、ユネスコ賞などの受賞作品も並び、多くの市民が鑑賞し、賑わいを見せていた。
今回の文化祭のパンフレットの表紙を飾る市展委員長の三宅悟氏は、「市展は、市民皆さんの発表の場、沢山の人が見てくれる場なので遠慮せずに出展してもらいたい。自分の絵を公にする場なので、自身が納得した作品を出展している。出展しながら勉強し、描き続け参加してもらいたい。市民に出展することがステップとなり、市展委員への相談や感想も聞き、勉強してもらいたい」と話した。
10月4日(金)18:30からニュー三幸(稲穂1)で表彰式及び懇親会、10月6日(日)14:30から15:30まで、会場で市展委員が作品の前で行う講評会を予定している。
同時に同館1階研修室で、小樽盆栽会(大橋正雄会長)が運営する「盆栽展」を開催中。会員達の丹精込めて育て上げた盆栽52点を展示している。100年以上の樹齢を持つ真柏(しんぱく)とギボウシ草、コスラ梅の3点をセット(針葉樹・草・広葉樹)にして出展した渡辺一男さんは、初めて「市長賞」を受賞した。渡辺さんは、「真柏は受け継がれた物で、毎日の水やりに気を使い、丹精込めて育てている。普段から外で育て、雨や風に耐え、冬は、軒下で雪から守るように囲う。一番大変なところは、針金で枝の向きを変えること。幹には、硫黄を溶かしたシャリを塗り、この展覧会のためにあわせた」と話した。
60歳から始め、25年になる唐松を出展した阿部百合子さんは、「朝起きて、まずは盆栽を見に行く。生活に張りがある」と話し、6年前から始めた小坂美智恵さんは、小品盆栽を出展し、茶せんの癖直しや茶せん置きなど花器にも懲り、つる梅もどきや紅葉、はぜを植え、作品から楽しさが伝わってくる。同会は、月1度、「なえぼ森の自然館」に集まり、盆栽の植え替え時期などを学び、情報交換をしている。
会場には、盆栽ファンが集まり、盆栽談義に花を咲かせ作品を鑑賞していた。 29日(日)まで。