平成25年度小樽市消防団秋季合同訓練が、9月1日(日)9:00から、小樽公園運動場で開かれた。昨日からの雨により開催が危ぶまれたが、雨も上がり、市内18分団から、女性52名を含む365名の消防団員が参加、日頃の訓練の成果を示した。
この訓練は、「消防の使命達成のため、日頃の訓練の成果を遺憾なく発揮し、消防精神と規律厳正な諸訓練を広く市民に示し、防災思想の普及を図り、火災等の被害を最小限に食い止めること」を目的としている。
会場では、消防団員が各分団に分れ整列。入場分列行進を行った後、副市長や市議議員などにより観閲を受けた。
市長欠席のため貞村英之副市長が、告辞を代読した。
「震災の教訓から、小樽市では地震による津波に備え、昨年3月に津波ハザードマップを作成し、町会の協力により住民避難訓練を開催するなど一定の成果を上げている。今後も訓練の推進を図り、住民が安心して暮らせる街を目指したいと考える。災害に対しての心構えは、自分の身は自分で守ることが大切であるが、災害の規模が大きく、その被害を最小限に食い止めるには、地域防災の要である消防団の役割が非常に重要となる。特に高齢者の多い本市においては、消防団の皆さんに対する市民の期待も大きい。本日の訓練では、士気の高揚とともに技術の向上など初期の目的を充分に達成されることを大いに期待する。市民を守るため、より一層の努力と決意を新たに、団結力を強化し活躍されるようお願いする」と述べた。
初めの訓練は、第7分団と第11分団の女性消防団による放水訓練が行われた。平成21年から女性団員だけで放水訓練を実施。消防服を着た女性団員がホースを担ぎ、迅速に行動していた。
担架操法訓練では、戦後68年経つ今に受け継がれ、第1・第8分団が参加。旧陸・海軍の負傷兵を担架で搬送する手順を定めたもの。終戦後、入団した団員が応急手当担架法として伝え、引き継がれた。団員は、号令とともに、右に左に担架を担ぎ、練習の成果を発揮した。
9個分団による小型ポンプ操法では、4名1組で行う基本の消防操法。ホースを延長させ、正確な機械操作など基本となる放水活動を習得する訓練に、延長したホース先端まで全速力で走り機敏な行動を見せた。
消防本部予防課より住宅火災報知機設置促進の説明があった。消防法の改正により、すべての家庭に住宅用火災報知機の設置が必要となった。小樽の設置率は、76.3%と全国平均より低い。火災で亡くなった人の6割は、「逃げ遅れ」が原因。火災を早期に発見するためにも火災報知機の設置が重要と話した。
女性(婦人)防火クラブ員が、軽可搬消防ポンプを用いて放水を体験した。最後の訓練は、タンク車2台を水源とした6個分団による小型ポンプを使用した放水訓練を実施。ホースから勢い良く放水され、空高く舞い上がり。3時間半にわたる訓練がすべて終了すると、会場から拍手が沸いた。
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