新たな門出に涙! 市立看護学院30名が卒業

 市立小樽病院高等看護学院(東雲町9)では、第43回卒業式が、3月1日(金)10:30より、同学院2階体育館で行われた。
 在校生や保護者、学校関係者らが見守る中、馬渕正二学院長から、卒業証書が手渡された。
 nurse1.jpg同学院長は、「本学院から新たに旅立つ卒業生の皆さんは、本学院で学んだことを基礎にして、新しい未来に向けて日々研鑽されることを願う。そして、皆さんが、毎日の実践の中で身近な課題を見出し学習を重ね、質の高い看護を目指してもらいたい。今日、皆さんを送り出す私達は、淋しい気持ちと共に、幸せな気持ちでいっぱいである。今後、共に働き共に学ぶ新しい仲間として、看護や医療現場のどこかで会うこともあると思う。今以上に逞しくなった皆さんと会うのが楽しみである。医療、保健、福祉の仲間として大いに語り合い、さらに学び合っていきたいと思う。心身の健康に留意し、目標とする理想の看護師へ向けて研鑽され、幸せな人生を心から願う」と式辞を述べた。
 中松義治小樽市長は、「医療現場においては高度化や専門化が進み、さらに感染症対策や災害看護や在宅看護といった分野における社会的ニーズが高まる中で、看護師として深い知識や確かな技術を身に着けることがますます求められている。看護学生としての学習は終えられるが、卒業後は、社会の変化や医学の進歩に見合った学習や実践を重ねていかなければならない。常に向上心を持ち続け研鑽し、長く医療現場でその力を発揮することを願っている。皆さんの優しい心配り、そして、明るい笑顔が患者さんに安心をあたえる。人間性豊かなおもいやりのある看護師を目指して努力されることを期待する」と祝辞を贈った。
nurse2.jpg 卒業生を代表して上垣里奈さんは、「社会人から受験し、目標とした学校へ入学が決まり涙を流して喜んだ。嬉しさの反面、久しい学校生活の始まりや、年の離れた多くの同級生に受け入れてもらえるのかと不安になった。いざ学校が始まると、1日が想像以上に多忙で、振り返る暇もなくめまぐるしく過ぎていった。クラスメートと共に過ごす時間が増え、少しずつ距離を縮めることができた。幅広い分野での長期間の実習で、学生であっても責任ある立場であると言うことを自覚した。疾患についてただ学ぶだけではなく、分からないことも多く失敗も多かった。そのたびに自分に対しての無力さや苛立ちを感じ、悔し涙を流した。真剣に話を聞いてくれた先生やそばには信頼するクラスメートがいてくれた。看護は、人とのつながりの中で初めて患者にとって良い物が見えてくることを学んだ。43期は、どんなに自分のことに精一杯でも看護に葛藤し苦しんでいる人にすぐに気付き、自分のことのように心配し支え合うことのできる絆に強いクラスである。辛いことも楽しいことも沢山分かち合ってここまで乗り越えてきた。この3年間で得た物は、必ずこれからの私達の強みになると思う」と、涙ながらに答辞を述べ決意を新たにした。
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 その後、記念品の贈呈や学院歌を歌い、式が終了した。
 市立小樽病院へ就職する田辺美紗姫さん(21)は、「あっという間に過ぎ、大変だったが、学んだことを活かして、患者さんが安心して入院できるような看護を提供していきたい」と話し、同じく三上沙希さん(21)は「3年間があっという間で、実習が辛く、学校の先生やクラスメート、家族に支えられた。看護師として働き安心して生活できるよう、患者の生活の一部になって看護をしていきたい」とこれからの抱負を語った。
 男子1名を含む30名の卒業生は、看護師として就職。勤務地は市内13名、札幌市16名、道外1名となっている。