くらしの講座「くすりの副作用について」と題して、北海道大学薬学部・中村峰夫臨床教授を講師に、2月19日(火)13:00から、いなきたコミュニティセンター(稲穂5)集会室で開かれた。主催は小樽消費者協会。
中村教授は、北海道大学薬学部を卒業し、昭和35年創業の有限会社中村薬局取締役社長。余市梅川町に8,000坪の土地を取得し、四季折々の野花や山菜などを楽しむ、自然薬草園を開設した。札幌市中央区にカフェを併設したオーガニック店をオープンし、新鮮で安全な食材を提供している。
中村氏は、2011年11月にもくらしの講座「薬とサプリメント」で講演し、70名が参加。今回も会場は満員となり人気の講座となっている。
なぜ病気になるのかを考えてみるところから始まり、「遺伝か?体質か?同じ遺伝子を持つ人が同じ病気にはならない。ストレスや食べる物で病気になり、ある程度の予防はできる。薬の副作用は、人それぞれである。コレステロール値が高いと心臓病になると言われ、投薬せず5年後には1,000人に5人程度が心臓病に罹る。薬を飲んだ場合は3.5人となり、そんなに減らないことが分かっている」と話した。
また、「緑黄色野菜を食べると癌になりにくいと言われているが、βカロチンの取り過ぎは肺癌が増加することや、乳製品の取り過ぎなど、同じ食品を取り過ぎると害になる。薬の作用、副作用は、人それぞれで、薬の目的と飲んでどれくらいで効くのか、自分に合うのかを薬剤師などに聞く。薬との飲み合わせも良くない場合がある。血圧を下げる薬で、咳が出るなどの副作用がある。薬の良い面や悪い面を専門家や薬剤師などに聞き、納得することが大切。予防が大切で、そのためには食べ物が重要。美味しい物を食べ、綺麗な景色を見ると性格も変わる。食育とは、食の文化、歴史を受け継ぎ、良い食べ物を知り、体に循環させること。食べ物が基本となる。食べ物とライフスタイルが病気を予防し、薬を飲む時は、何が必要でどこに作用するのかを薬剤師に聞いていただきたい」と話した。
質疑応答に入ると、70代女性が「病院の投薬で、ジェネリック医薬品の不可の意味は?」との質問に、中村氏は「最新の薬は、ジェネリックではないものもある。同じ素材を使っても同じ物ができるものではない。影響がないように良い方を患者に勧めている」と答えた。
また、「白衣性高血圧症の薬を飲んで、全身に湿疹ができ、慢性化している」や「血圧の薬でCK値が上がった」など、積極的な質疑に答えるなど、予定時間を延長して行われた。いかに、薬の副作用について関心が高いかが伺えた。