約14億円という多額な費用をかけて、小樽市が1998(平成10)年に完成させたスキージャンプ施設・望洋シャンツェ(朝里川温泉1)が、今冬はまったく使われないという宝の持ち腐れ状態となっている。
小樽も積雪が増加し、いよいよスキーシーズンという中で、小樽市朝里川温泉にあるスキージャンプ台・望洋シャンツェは、K点80mのノーマルヒルジャンプ台。多目的広場(兼駐車場)・運営ハウス・スタートハウス・飛型審判塔・電光掲示板・リフトも完備した本格的なジャンプ施設。 新谷昌明前市長時代の1998(平成10)年に14億円をかけて完成。
完成した翌年の1999(平成11)年の「第54回国体冬季大会スキー協議会」のジャンプ競技会場として使用された。以後、2002年から「北海道スキー選手権大会」が、2005年まで4連続で開催されてきた。
しかし、今冬は同大会がリニューアルされた名寄のスキージャンプ台で行われることになり、同ジャンプ施設での開催は中止となった。これにより、同施設周辺の除雪作業は行われないことになったため、雪国の街ならではの雪中雪遊び大会「スノーワンダーランド in 望洋シャンツェ」の開催も、中止に追い込まれることになった。
これは、小樽市が財政難となり、単独での除排雪費用の負担や大会開催のスポンサー探しもままならず、同大会実行委員会では、「スノーワンダーランド in 望洋シャンツェ」のイベントも行わないことになった。
このため、同シャンツェでは、今冬は大会やイベントもまったく行われないこととなり、14億円の施設が宝の持ち腐れ状態になっている。
小樽市教育委員会では、「3、4年後には、また(北海道大会スキージャンプ大会)話があると思います。他のジャンプ施設とは違って、毎回大会の受け入れが出来るような状態ではない」としており、かんじきドッジボールなどを行っていた「スノーワンダーランド in 望洋シャンツェ」の中止には、「本当に残念だ」とがっかりした様子で、代わりの冬のイベントを、からまつ公園(最上2)での開催を検討中という。
使われない14億円の望洋シャンツェの隣には、12億5,000万円をかけ今年6月から供用開始した、望洋サッカー・ラグビー場も、深い雪の中に埋まっている。