世界トップ5に入る米国の大手船会社ホランド・アメリカ・ライン社の運航計画責任者、サイモン・ダウエスキャプテンが、12月7日(水)に来樽した。
小樽港には「飛鳥」などのクルーズ船が来航しているものの、経済的な価値の高い世界的な豪華客船を積極的に誘致したいと、国際観光振興機構(JNTO)の協力により、同社の運航計画責任者を小樽に招請した。
ホランド・アメリカ・ライン社は、アメリカとヨーロッパを結ぶ130年の歴史をもつ名門クルーズ船会社。38,000~85,000トン、全長204~290m、乗客定員793~1,848人の12隻の巨大な豪華クルーズ船舶を所有。高級感とカジュアル感を備えたクルーズツアーは、世界でも3本の指に入るクルーズラインで、世界的にトップレベルのクルーズ会社として知られている。
来樽したサイモンキャプテンは、同日12:00に山田勝麿小樽市長を表敬訪問し、市長応接室で握手を交わし、通訳を挟んでの会話の場を持った。小樽に訪れる前に札幌に寄ってきたサイモンキャプテンに、山田市長は「札幌はどうでしたか?」と質問。「いい街でした」と答えたサイモンキャプテンに、「小樽と札幌はすごく違う感じがしますよ」と返し、にっこり笑い「とても楽しみです」と言った。山田市長は小樽の紹介などを「サンキューベリーマッチ」と英語を交え、楽しい対談の場となった。
約20分程で対談は終了し、「小樽にはたくさんの古い建物があります。ぜひ見て回ってください」と言う山田市長に、「このような暖かい歓迎を感謝しています」(サイモンキャプテン)と、最後にまた握手を交わした。
この後、小樽港クルーズ振興における「意見交換会」が、17:30~18:30、マリンウェーブ小樽(築港)で開かれた。会場には、港湾関係者、観光関係者、北海道運輸局ら50人が集まった。
サイモンキャプテンは「寄港するにあたって、『市街地への距離、バスのアクセス問題』、『乗船客にとって充実したものが提供出来るか』、『現地ツアーでの言語問題』などがポイントとなります。小樽(日本)では、治安や衛生の問題はないでしょう。乗船客の90%がアメリカ人で、彼らは日本の伝統文化、日本的なものに興味がある。その点がカバー出来れば」と、同社のアジアクルーズ概要などのプレゼンテーションをした。
今林裕雅・市港湾部港湾振興室長は、小樽港のクルーズ振興について、「小樽港は今後とも、港湾関係者及び市内経済界との連携により、『寄港地の魅力づくり』、『観光資源・文化の周知』、『乗客の上下船におけるサービスの充実』などのソフト面における、観光地としてのおもてなし体制の充実を進めていきます」と小樽をPR。
この意見交換会のあと、懇親会が18:30~20:00に開かれた。「小樽職人の会」による体験観光のデモンストレーション、「小樽潮太鼓保存会」の太鼓の打演を披露した。サイモンキャプテンは、8日(木)は、2006年度の寄港地に決まった函館を訪れる。