幌内鉄道全線開通130年を記念して、9月15日(土)から17日(月)までの3日間、旧手宮線(手宮口前)を会場にイベントが開かれ、トロッコが旧手宮線を走った。主催は幌内鉄道全線開通130周年記念実行委員会(飯田勝幸実行委員長)。
1880(明治13)年に、手宮–札幌間に鉄道が開通。2年後の1882(明治15)年に幌内まで全線開通した。幌内鉄道は、幌内炭鉱から小樽港へ石炭を輸送するために作られた鉄道で、小樽の発展や日本近代化への進展に大きな役割を果たした。その歴史を振り返り、功績を顕彰するために、開通に加わった手宮(小樽)・岩見沢・幌内(三笠)が連携し、記念行事が開催された。
NPO法人北海道鉄道文化保存会・清水道代専務理事は、「小樽は港のイメージがあるが、石炭の積み下ろしで経済に貢献した鉄道遺産を思い、手宮をもう一度意識してもらいたい。旧手宮線近隣の住民も快く応援してくれた。トロッコは大歓迎、街が明るくなると喜んでくれた。今後、旧手宮線を現存保存し、何か形にしていきたい」と話した。
35名のスタッフや小樽市の協力で、旧手宮線の草刈やゴミを拾い、準備を進めてきた。「てみ・てんぐ」(軌道自転車・義経号)は、手宮口前から色内川下まで、片道10分、往復20分、乗員4名で、2名がペダルを漕いで走らせた。初日の15日は40人、16日は210人、17日は正午過ぎまで90人が乗車した。普段立ち入ることのできない旧手宮線を、軌道自転車が線路上を軽快に走り、乗客は心地良い風に吹かれながら、昔を思い景色を楽しんだ。
会場では、屋台や小樽商大ジャズ研究会の生演奏、ビンゴゲーム大会、JR特急乗車限定販売ファイル、130年記念しおりなどのグッズ販売も行われ、多くの市民が訪れていた。
市内在住20代の女性は、「トロッコからの風が気持ち良く、景色も良かった。レトロな雰囲気が感じられ楽しかった」と乗車の感想を話した。手宮連合町会・田中雄一郎会長は、「手宮線が無くなり、このような祭事が行われたことは大変良いと思う。今後も開催すれば人が集まると思う」と話した。
9月21日(金)〜23日(日)は、運河プラザ3番庫で写真展「幌内鉄道の記憶」、「ポッポやの懐かしグッズ」展〜コレクター収集 鉄道関連の品々開催されるほか、各所でイベントを予定している。
問合せ:0134−61−7777 NPO法人北海道鉄道文化保存会。