67回目の終戦記念日となる8月15日(水)は、各地で記念式典が開かれた。
小樽商科大学(緑3・山本眞樹夫学長)では、緑丘戦没者慰霊祭を、緑丘戦没者慰霊塔(構内研究棟前)で、正午に合わせて開き、参列者全員による黙祷で、若くして散った学友たちを偲んだ。
松尾正路名誉教授の呼びかけで、緑丘会が全国的な募金活動をし、昭和44年に、構内東側の高台に緑丘戦没者記念塔が完成した。347名の氏名が刻まれた墓石と「戦の野の果つるとも 若き命 この丘にとヾまりて 消ゆることなし 友よ 安らかに眠れ」と書かれた碑石が記念塔に納められている。
山本眞樹夫学長は「昭和44年からこの慰霊祭を行い、不戦と平和の誓いを新たにしてきた。終戦から67年が過ぎ、学業を半ばにして、家族、恋人、友人の安寧を願い、悲壮な覚悟で戦場に赴く。そして、戦場にかけた多くの同窓がいたという歴史を決して風化させることなく、不戦と平和への願いを次の世代へ、確実に引き継いでいかなければならない。本学においては、今年5月、本学グランドで飲酒事故が発生し、救急搬送された9名の学生の内、1名が亡くなる大変不幸な結果となった。命の重さ尊さを改めて思い知らされた。我々は、ひとりひとりの命の重さ尊さを伝えることが、すべての教育の基本的使命。原点を常に意識し、誰もが命を全うできる平和な社会を構築するという崇高な使命をもって、教育、研究にあたっていきたい」と挨拶した。
緑丘会・田尾延幸札幌支部長は「再び辛い歴史を繰り返さないよう、今日の平和が多くの諸先輩方の犠牲の上に成り立っていることを、後世に伝えることが使命である。戦没者の御霊が安らかなることを祈る」と述べた。
遺族、緑丘会会員、学生代表、大学教職員の95名により献花が行われ、グリークラブとカンタールのメンバーが、校歌を斉唱した。
参列者は、学徒出陣などで若くして戦死した家族や友人を偲んでいた。市内在住の本学30期生海老名さんは「天気も良く、終戦の時の天気を思い出した。今年は、多くの学生がお参りをしてくれた。終戦を思い出す良い機会となった」と話した。