日本初の公道レース「チャンプ・カー・ワールドシリーズ」の実現を目指している、北海道小樽グランプリ推進協議会(山田勝麿市長)は、同シリーズのオーナーのひとりであるケビン・カルコーベン氏と会長のディック・アイズウィック氏を招き、10月8日(土)17:00から小樽運河プラザ3番庫(色内2)で、「小樽グランプリ市民公開シンポジウム」を開催した。
チャンプ・カー・ワールドシリーズは、1909年に全米選手権としてスタートした。現在、アメリカを中心に、カナダ、メキシコ、オーストラリア、韓国の5カ国で開催。
来年からは、中国の北京でも開催が予定されている世界選手権。市街地や空港に仮設されるテンポラリー・コース、テクニカルなロード・コース、アメリカ伝統のオーバル・コースといった様々なレースが行われている。年間200万人以上の観客が訪れ、世界160カ国でのテレビ放映により、約1億人以上が視聴するという。F1経験者や国際F3000チャンピオンなど、12カ国のドライバーが参戦して熱戦を繰り広げている。
シンポジウムは、推進協議会の今までの活動経過や視察報告などが行われ、ケビン氏の「ぜひ、この美しい小樽の街でカーレース、イベントを実現したい。世界160カ国でのテレビ放映により、約1億人以上が視聴するだろう。そして、開拓精神のある小樽の街で、この選手権を実現すれば多くの観光客が増えることで、小樽も世界的な人気を博すことになるだろう」と実現への意気込みを語った。
「チャンプ・カー・ワールドシリーズ」の実現については、開会中の小樽市議会でも質疑が行われた。上野正之議員(平成会)が、「このワールドシリーズを誘致することによる経済波及効果は、30万人集客で60億円以上だ。世界自動車連盟(FIA)の認定を取ることが出来るマーチン・セイク氏が、小樽市内を視察し、非常にロケーションも良く、かつて手掛けた数カ国のコースと比べてもトップクラスであると、最上級の賛辞も頂いている。大型商業施設の撤退など後ろ向きで暗い話題ばかりの小樽で、日本に誇れる唯一の明るい話題だ。これからの小樽にとって千載一遇のチャンスをものするために、小樽市として誘致の実現へ向けた、今後の具体的な対応についてお聞かせ下さい」と質問した。
これに対し、山田小樽市長は、「本年7月の北海道小樽グランプリ推進協議会総会において、来年度の公道使用による電気自動レース、平成20年度にはチャンプカーレースの実現を目指すことが決定されました。先日、アメリカ在住のコース・デザイナーが小樽を視察し、小樽のロケーションを高く評価したことは承知しております。これらを踏まえ、協議会が予定しているコース(案)を軸に、『地域再生計画』に基づく『特定地域プロジェクト・チーム会議』を、10月28日に開催することとしており、この中で諸課題を検討することとなっております」と、受け入れを推進する積極的な答弁を行っている。
なお、実現を目指す同協議会のメンバーは、10月20日過ぎに、オーストラリアのゴールド・コースターに、視察に行くことにしている。
相次ぐ関係者の来樽、市民公開シンポの開催や市議会での質疑などで、この問題がようやく小樽市民にも知られ始めており、今後の推移が注目されることとなった。