2012年初の定例市長記者会見が、1月4日(水)10:30から、市長応接室で行われた。
市長発言の要旨は、以下の通り。
「北海道新幹線札幌延伸について」
12月26日に、国土交通大臣より、政府は、安定的な財源の見通しがついたことから、収支採算性や投資効果などの条件が整い次第、着工を認める方針を明らかにしたことにより、日本列島がしっかりとした背骨ができ、人の流れ・物の流れが活発になる。小樽市においては、観光産業のほか、社会経済全般に大きな効果がある。地域交通のあり方についてしっかりと検討し、新幹線が1日も早く夢と希望を乗せて走り出せるよう全力で取り組んでいく。
「市立病院の統合新築について」
今年は、新市立病院の建設工事に着工する。今月中には、建設予定地の小学校解体工事と新市立病院本体の建築主工事等の5つの工事の告示を行い、いずれも3月末に工事を着工し、夏頃には解体工事を終える予定で、病院本体工事は、今年は基礎部分の工事が主体となる。大規模工事となることから、市民への経済波及効果は大きいと考え、活気を与えることを期待している。安全安心の街づくりのためにも進めていきたい。
「新夜間救急センターについて」
平成25年6月の完成に向けて、今月から設計業務委託、地質調査業務を行い、秋頃から本体工事に着手する予定。
「東洋水産(株)、一正蒲鉾(株)の移転・新築について」
東洋水産(株)の製造工場及び営業拠点が小樽市銭函に移転し、今月4月の操業開始を予定。また、一正蒲鉾(株)が、銭函に新工場を建設し、今年6月から操業予定であり、市内経済の活性化が期待される。
「観光について」
東日本大震災による観光客の回復策として、昨年度は、1万人ウエルカム事業や小樽市観光振興券の交付を行い、また、外国人観光客にダイレクトアクセス実証実験事業を2月末まで実施するなどの対策を行う。アジア圏観光プロモーション強化策として、外国語版パンフレットを新規に作成し、英語、韓国語、中国語(繁体字、簡体字)の4言語で各5千部用意して、海外観光キャンペーンで活用したい。
「クルーズ客船について」
今年は、4月の上海発の「レジェンド・オブ・ザ・シーズ」を皮切りに、外国船籍のクルーズ客船が5隻寄港するほか、北海道クルーズの定番となった「飛んでクルーズ北海道」の「にっぽん丸」「ぱしふぃっくびいなす」「飛鳥‖」といった日本船籍のクルーズ客船が11隻寄港し、合計で16隻寄港予定。小樽港は、外航クルーズの拠点として、伏木富山港、舞鶴港とともに、日本海側拠点港に選定され、今年は16隻を予定している。日本海側の寄港地の魅力を国内外に発信したい。
「国際交流について」
昨年9月23日から26日まで、総勢70名の訪問使節団が、ソウル特別市江西区に姉妹都市提携後、初めて訪問し交流を深めた。本市観光の安全をPRした。2月2日から5日まで、ノヒョンソン区庁長をはじめソウル特別市江西使節団50名が来樽し交流する。雪あかりの路の開会式に出席し、数々の行事を通し交流を深めたい。昨年9月に小樽市民訪問使節団・桂岡少年少女合唱団と現地で交流した江西青少年オーケストラの皆さんも来樽し、合同記念コンサートを開催予定している。
「教育関連 新共同調理場の建設について」
昨年、民間の土地を取得し、現在、基本設計、実施設計の最中であり、平成25年8月の併用開始に向け、24年度に着工となる。
「放課後児童クラブについて」
障害児を4年生まで受け入れていたが、5・6年生についても受け入れる方法で検討していきたい。
「財政再建」
22年度決算において、財政健全化計画による当初の目標である24年度より2年早く一般会計累積赤字の解消を達成。しかし、他会計からの借入など、財政対策を行った上での赤字解消であり、今後は借入金に依存することなく、自らの債務に見合った歳出、年度間に不足の財政にも柔軟に対応する。本来の収支バランスを計れるように財政の健全化に取り組みたい。24年度の予算については、来年度の市税収入や地方交付税については、現時点において厳しい見通し。予算編成上の財源対策については、引き続き困難が予想される初めての予算編成となり、限られた財源を有効に活用していきたい。人口の減少、景気の低迷などによる税収入の減少の中で、地域経済の活性化、財政の健全化の両方の取り組みが求められる。知恵を出し合って、地域の課題の解決に取り組み、市民が安心安全に暮せる活力ある地域社会の実現に向けて取り組みたい。
記者との意見交換の概要は、以下の通り。
記者「初めての予算編成はどこに重点を置くか?」
市長「1月の中頃には取り組みたい。市民の防災への関心も高く、安心安全、豊かに暮せる街づくりのために予算配分を行いたい。防災関係では、子ども達の教育環境が大事となる。財源不足が考えられる。優先順位をつけながら取り組みたい。市民や関係団体からもいろいろな要望があり、全部に答えることはできない。人口減の問題、雇用を含めた経済対策に取り組みたい。国勢調査で人口減少数が日本で7番目、道内では2番目となった」
記者「他会計からの借入がなくても行えるのか?」
市長「基本的には、そうのような気持ちでいきたい。必要な物は考えていかなければならない」
記者「東洋水産などの税収増は?」
市長「東洋水産について、石狩小樽地域に移転し、4月の操業と聞いている。雇用問題を含めて期待している。一正蒲鉾は、工場の拡大を計り、移転6月の操業。こちらも雇用の問題に期待している」
記者「今年の一文字は何?また、新幹線は25年後といわれているがその時は、小樽はどんな街になっていて欲しいと考えるか?」
市長「『話』。財政的にも厳しい1年となる。市民の皆さんといろいろと話をして納得してもらって進めたい。町内会、職場でも話し合いが重要。今年は、子ども達へ、こちらから出向いて行き話したい。新幹線が通ると、東北、北関東との時間が縮むので、より多くの人々が観光に来てもらいたい。クルーズ船は、飛行機と繋がっているが、新幹線とクルーズ船が繋がるようにしたい」
記者「子ども達との話し合いとは?」
市長「教育委員会が、昨年暮れに市長と語る会を計画し、新年明けで案内をしている。子ども達に25年後の夢なども聞いてみたい」