「街の銭湯」として地域の人に親しまれている小樽の公衆浴場が、10月1日(土)より、大人料金だけ10円値上がりし380円となった。
北海道公衆浴場業生活衛生同業組合に加盟している全道で382軒の公衆浴場は、最近の原油価格の高騰を受け、経営が圧迫されていることもあり、10月1日から全道で一斉に大人料金を10円だけ値上げし、380円での営業となった。
中人(6才以上12才未満・小学生)140円、小人(6才未満・未就学児)70円は、据え置きとされている。公衆浴場料金の値上がりは、2001(平成13)年9月以来の4年ぶりになる。
小樽市内では27軒の公衆浴場施設があるが、わずか10円の値上がりでは、最近の燃料高をカバーしきれず、大型浴場施設との料金差がわずかでも縮まったことで、銭湯離れを加速する恐れもある。毎日銭湯通いする人には、わずかな値上がりでも心理的な負担になる。
「10円だって、収入がある私たちにとっては変わらないけれど、年金暮らしの人たちは大変だと思う」と、銭湯利用者の声。
「10円上げたって何も変わらない。10人来たら100円、100人来れば、やっとこ1,000円になる。100人来る銭湯なんて、よっぽど大きなところでないと考えられない。重油の値上がり分もせっかく自分がもらっている年金から出さなきゃいけないことになる。370円から470円に、100円値上がりするなら、話しは別だけど」(大正湯・八田ミツさん81)と、わずか10円の値上がりでは焼け石に水だと語る。
近年、小樽市内の銭湯は、次々と開店した大型浴場施設の進出や人口減で、経営が圧迫され、閉店に追い込まれる店が増えていた。現在でも市内の銭湯は温泉を利用している施設も多く、根強いファンを獲得している。街の銭湯が、これ以上閉鎖に追い込まれないためには、わずかな利用者負担増は仕方がないとする人が多い。
小樽公衆浴場商業協同組合では、「ふれあい入浴」や「セントーの日」、「敬老無料入浴」や「ゆず湯・しょうぶ湯」などを設け、銭湯離れを食い止めようと懸命で、10月15日15:00から、小樽市民センターで「銭湯いきいき健康セミナー」を開催することにしている。