観光入込客数が大幅減少 震災と原発事故が影響


mayor1128.jpg 小樽市(中松義治市長)は、11月28日の定例記者会見で、平成23年度【上期】小樽市観光入込客数の概要を発表した。
 これによると、「本年上期(4月〜9月)は、3月11日に発生した東日本大震災や、これに伴う福島第一原子力発電所の事故の影響により、団体旅行、個人旅行ともキャンセルが相次ぎ、新規予約も含め、旅行を自粛する動きが広がった。 このような状況のもと、来道者数も大きく減少するなど、全ての項目で前年を下回り、4月の減少率も4割を超えるなど、震災の影響が色濃く出た結果となった」とした。
 上期の観光入込客数は、平成23年度329万4400人で、平成22年度385万3800人に比べ、▲55万9400人と大幅に落ち込んだ。
 このほか、道外・道内客数の比率・宿泊日帰り客数・修学旅行宿泊客数・外国人宿泊客数・海水浴客数の区分でも、それぞれ大幅な減少を示し、大震災と原発事故の影響が色濃く出る結果となった。
 特に、「外国人宿泊客数や外国人宿泊客延数は、諸外国政府による日本への渡航禁止や被災地からの退避勧告などの発出、航空便の減便、長引く円高などにより5割以上の減少となった。なお、国別では、台湾や香港が、早期に渡航禁止などを緩和をしたことから半減程度であったが、韓国や中国、シンガポールでは、6割を超える減少となった」と、海外客の依存度が大きい小樽観光に大きな打撃を与えた。
 堺町の寿司店では、「3月から夏までは、外国人の姿がパタッと消えて、商売にならなかった。夏以降に少しずつ回復したが、また雪のシーズンとなり、これからは観光客が減るのが通年のことで、今年は、これまでになく非常に厳しい」と肩を落としていた。