5月28日(土)15:30、小樽港に巨大サルベージ船「富士」が姿を見せ、港町ふ頭に着岸した。船体と双胴ウィンチの高さが目を引き、街から海を眺めた人や通りがかりの人はその偉容に驚き、早速、車で駆けつける見物客が次々と現れた。
この巨大起重機船は、海難の救助船隻数でわが国第1位の、深田サルベージ建設株式会社(本社・大阪)の主力船のひとつ。船体の長さ105m、幅46m、深さ8mの総トン数13,014tで、双胴ウィンチの海面からの高さは133mに及ぶ。札幌テレビ塔の147mにわずかに届かぬものの、展望室の高さが90mであることを考えればその大きさがわかる。
入港と同時に海が見える市街や近くの道路から、この巨大な突起物の突如の登場に驚いた市民は、次々と港町ふ頭に正体を確かめに現れた。作業服のまま長橋から来た人は、「海を見たら、いつもと違う巨大物体があるので何があるのかと思って駆けつけた。この大きさではカメラにも入りきれない。大きくて本当にビックリした」と言う。通りがかりに駆けつけた人の中には、森井秀明市議の姿もあり「今道路を通りかかったら、あまりの大きさに何かなと思って寄って見た。石狩湾新港の沈没船でも引揚げるのかな?」と興味津々の様子でケイタイで写真に収めていた。
同船の関係者は「この船は東京湾に基地があり、あちこちに仕事をして回っていて、あまり休養をしていなかったのでサハリンへの途中で、補給と乗組員の休養のために寄港させてもらった。石狩湾新港の沈没船とは関係がない。1週間から10日間位小樽港に停泊して、それからサハリンへ向かう予定」と言う。
巨大サルベージ船「富士」は自前のタグボート2隻を従えて小樽港港町ふ頭に錨を下ろしており、珍しい船だけに一見の価値がある。