小樽が生んだ文学者・伊藤整の生誕100年を記念して、特別展「伊藤整展」と特別展記念講演会・シンポジウムが、6月18日から、市立小樽文学館と小樽商科大学を会場に開催される。
市立小樽文学館で、2005年6月18日(土)から8月28日(日)まで開かれる特別展「伊藤整展」は、同館が総力を挙げて開催する。同館所蔵の貴重な資料500点を展示し、小樽出身の作家・伊藤整の全貌が一堂に明らかにされる。チャタレイ裁判を戦った整の「チャタレイ夫人の恋人」の警察の押収本も含まれている。同書には、整が記した貴重な書込みが多く残され、これからの研究本としても価値が高いものも含まれている。
「これらの書込みは、整が裁判を戦う上で、理論武装をしていたのを資料が明らかにしている。整のチャタレイ裁判の仕事に改めて光を当てることが出来る」と亀井秀雄文学館長は話す。
この文学館での特別展に合わせ、6月18日・19日に、整の母校、小樽商科大学の教室で、「よみがえる伊藤整」と題した講演会・シンポジウムが開かれる。
18日(土)の記念講演会「伊藤整文学の原/幻想」には、曽根博義日本大学教授、ウィリアム・タイラーオハイオ州立大学教授、整の次男・伊藤礼元日本大学教授らが顔を揃える。
19日(日)のシンポジウム「伊藤整の戦後とチャタレイ裁判」には、横手一彦長崎総合科学大学助教授、結城洋一郎小樽商科大学教授、アン・シェリフオベリン大学準教授、紅野謙介日本大学教授らが参加する。
講演会・シンポジウムとも、メンバーは最良の人を揃えたもので、レベルの高いものになり、全国的にも注目されるという。