市立小樽美術館(吉田豪介館長)で開催中の新収蔵品展(2/25~5/22)に出品されている、富樫正雄作「ちよさん」が、所有者の富樫耕さんから寄贈を受けたことで、小樽市は3月30日(水)11:15から、市長室で篤志者表彰を行った。
小樽生まれの画家で、東京美術学校(東京芸術大学)に学び、北大構内のニレを対象とする作品を生み出し「ニレの画家」として知られる、富樫正雄(1913~1990)を一堂に紹介する、「北辺に生きたリアリスト富樫正雄展」は、2003.10.25(土)~2004.2.1(日)まで、市立小樽美術館で開催された。
この縁で、画家の長男富樫耕さんが所有する母親像を描いた「ちよさん」(画家の妻)が、同美術館に寄贈された。今回の篤志者表彰は、この寄贈を受けたことに対するもの。
寄贈者の富樫耕さん(作者の長男)は、「絵はたくさんの方に見て頂かないと価値がないもの。私が持っていても限界があります。先に小樽で開催した展覧会には、たくさんの方が来て頂きました。そのお礼の意味で寄贈させて頂きました。また、今回寄贈した「チヨさん」は、結婚前の母(作者の妻)がモデルです。すでに姉(作者の長女)、姉の娘(作者の孫)を寄贈していますので、これで美術館に3人が揃ったことになりました」と、画家の関係者の3人が揃ったことを喜んでいた。
寄贈を受けた小樽市の山田勝麿市長は、「これまでたくさんの絵画を寄贈頂きありがとうございます。正雄さんには生前にも、博物館の開設準備室委員をやってもらうなど、多大なる貢献を頂きました」と、画家の市に対する貢献に感謝していた。