旧カトリック住ノ江教会オープン 交流拠点に

 旧カトリック住ノ江教会(住ノ江2)を維持管理するNPO法人小樽民家再生プロジェクト(石井伸和代表理事)では、旧聖堂をレンタルスペースとして活用していたが、各部屋もテナントスペースとして4月12日(土)にオープンし、記念イベントを開催した。好天に恵まれた当日は、青い空に赤い屋根と白い建物が映え、駐車場は満車が続いた。

 

 1897(明治30)年頃に佐々木静二に氏によって和洋折衷の個人宅として建てられ、1949(昭和24)年にカトリック小樽教会住ノ江聖堂として活用され、増改築を重ねてきたが、2024(令和6)年4月28日に閉堂し富岡聖堂に統合された。小樽のために活用してほしいとの相談を受け、同プロジェクトが運営を始めた。

 

 石井代表理事は、「一言でいうと交流拠点にしたい。ここの丘は社ケ丘(やしろがおか)と呼ばれ、神社仏閣が集まっている環境で、哲学の丘や考える丘と思っていて、じっくり考えて人と人が交わり交流するような場にしたい。今日は6部屋のうち2部屋をオープンし、旧聖堂では生ライブなども行われる」と話した。

 

 テナントスペース1件目は、木工クラフト雑貨店・住架(すみか・上葛直美さん)が、北海道に生育する白樺の樹皮を素材にアクセサリーを制作販売。道内各地から白樺の木を伐採する予定を聞きつけ、自身で伐採した樹皮を使用している。

 

 指導を受けた帯広と四国の先生2名による白樺細工のバッグなども展示し、「小樽市の木は白樺なので、小樽の人にも作品を通じてもっと白樺を知ってもらいたい」と話している。土曜・日曜日11:00~17:00営業。

 

 入口横の洋室には、2件目のウスキ呉服店(臼杵美紀さん)がオープンし、着物で訪れた来場者が集まった。店内には、反物をはじめ帯や草履・バッグ、ガラス作家が制作した帯留めなど和装小物が所狭しと並び、おしゃれな空間を創出。

 

 臼杵さんは、「20年以上着物の仕事をしていて、数年前からおたる浴衣おさんぽパスポートを企画。小樽は着物が似合うまちで、着物で歩きたい風景がある。地元の方に着物を着るお手伝いをしたい。持っている着物を小物でおしゃれに着るコーディネートの相談も気軽に声をかけてもらいたい」と話した。営業時間11:00~18:00、日・水・木曜日定休。 

 

 着物を楽しむ来場者は、「品揃えが豊富で奥行きがあり、素晴らしいおしゃれな呉服屋さん。しつらえも素敵です」と満足していた。

 

 レンタルスペースではオープニングイベントが用意され、先着50名にコーヒーが振舞われ、フォークソングやジャズの生ライブも始まった。ミニマルシェでは、ドライりんごのサニーホームワークス、猫のシェルターアリエル、やまやえみこさんのはがき絵(似顔絵)などが出店。同法人の古民家相談会も行われ、来場者が行き来し賑わった。

 

 旭川から小樽に移住して5年の佐藤さんは、「このイベントを楽しみにしていて、朝早くから来場し中の様子も一通り見てきた。モルックは初体験だったが気軽に楽しめるゲームで楽しかった。また参加したい」と話していた。

 

 ◎旧カトリック住ノ江教会 – NPO法人 小樽民家再生プロジェクト(外部)

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