北海道財務局小樽出張所(港町5・清水雅之所長)は、3月11日(火)13:00から、しりべし経済レポートVol.114(令和6年10月〜12月)について記者発表を行った。
清水所長は、「公共工事のみ前年を下回ったが、今期の総括判断としては、前回同様に持ち直していて、8期連続据え置いた」と説明。
個人消費は持ち直しつつあるとし、前回判断を据え置いた。主要小売店売上高は、物価高による節約志向から、ハレの日需要の落ち込みがあったものの、観光地需要でインバウンド客の来店が増加し、高価格帯商品の購入も目立ち売上増加に影響があり、前年を上回った。
新車登録・届出台数は、昨年は半導体不足問題の納車滞留解消時期であり、今期の登録台数の減少は反動減によるもので、車両本体価格の上昇による新車購入から、継続車検を選択するユーザーが増えているように見受けられるとの声もあった。
観光は回復しつつあると前回判断を上方修正。円安の影響から韓国・香港を中心とした海外客が多く、全体の来場者数は前年を上回った。宿泊施設は、ロケツーリズムの影響から東南アジア圏の家族連れが多かった。
住宅建設は緩やかに持ち直しつつあると、前回判断を上方修正。倶知安やニセコエリアにおいて、外国人向けの宿泊施設や従業員向けの賃貸住宅や戸建住宅の建築が増え、住宅着工戸数が前年より多くなった。
公共工事は、公共工事前払金保証請負金額で見ると前年を下回っているものの、年度累計では前年を上回っている。
生産は持ち直しつつあると前回判断を据え置いた。生コン出荷状況は、民需が前年を下回っているものの、官需が前年を上回り全体では前年を上回っている。
水産加工稼働状況は、昨年から続くコロナ5類後の観光客の増加で、土産需要がある一方、鮭の不漁による原材料不足から低調になっている。
雇用に関しては緩やかに持ち直していると、前回判断を据え置いた。有効求人倍率は前年を上回っているものの、有効求職者・有効求人数ともに前年を下回っている。新規求人数も前年を下回っている。企業の人手不足解消のために、新たに民間求人媒体を積極的に利用しているとの声もあった。
先行きについては、雇用・住宅環境が改善する中で、各種の施策の効果もあり、景気が持ち直していることに期待が高まっているという。
日常生活に欠かせない重要な交通手段のバスなど特別調査では、近年、運転手不足による路線バスの減便や廃止が問題となっていることから、「暮らしを結ぶ地域のバス」と題して、地域の足を確保する取り組みについて実施されている赤井川村のむらバスと、岩宇地域公共交通活性化協議会・しおかぜラインについて紹介された。
◎財務省北海道財務局Vol.114しりべし経済レポート[令和7年3月発行](外部)
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