みらいプラネット 人権学習啓発図書寄贈

 認定NPO法人みらいプラネット(山口県防府市・有富健会長)は、小樽市内の小中学校へ人権学習啓発図書70冊を寄贈し、3月5日(水)9:00から市役所(花園2・迫俊哉市長)で贈呈式を行った。

 

 同NPO法人は2011(平成23)年3月に患者支援会グループとして発足。2016(平成28)年1月に現在の法人名に変更し、患者をはじめ社会的弱者への偏見や差別を無くし、笑顔あふれる共生社会の実現のため人権擁護活動を行うべく活動している。

 

 2024(令和6)年11月札幌市に205冊、2025(令和7)年3月4日(火)石狩市に70冊、小樽市へは道内3番目の寄贈となる。道外にはすでに数千冊を配布。

 

 今回寄贈された人権啓発学習図書“負けるものか”シリーズ3「ひとつぼし〜咲き誇れ、強くNext Season」は、有富会長が自らの病気の経験を題材に「病気」と「いじめ」をモチーフにして書かれたもので、第1部は小中学生が読みやすいように漫画で書かれ、作画は蘭越町出身のフリーイラストレーター・礒村藍氏が担当した。

 

 第2部は、有富会長の半世紀と今後の夢、みらいプラネットに寄せられた患者さんたちの闘病記や体験談を収めた。

 

 小中学生が人権について学習し、全ての人々が笑顔で暮らせる社会にするためにはどうすれば良いかを、家族で考える1冊として寄贈を決定した。

 

 迫市長は、「有効に活用させてもらいたい。人と人とのご縁でこのような形になり、巡り合わせを感じている。会長の想いや取り組みを、地域の子どもたちに伝えたい。

 

 我々としても共生社会の実現は大きな課題で、子どもたちが本を手に取り、何かを感じてもらいたい。教育委員会もしっかりフォローしてくれると思う」と感謝した。

 

 有富会長は、「非売品で全て寄贈。ただ送りつけるのではなく、お会いして話をしてから渡している。10年間病気と認められず、北海道の病院で見つけてもらった。この本を読んで優しさを求めたい。

 

 子どもたちもいろいろなことを抱えて生きている。あの子にも何か事情があるかもしれないと察してあげられるような気持ちを持ってもらいたい。

 

 本を見てそれを思い出にして、子どもたちが優しい気持ちで人に接し、大人になってもらいたい。壮大な目的からすると、小さな活動ではあるが、少しでも良い方向に向いてもらいたい」と語った。

 

 “負けるものか”シリーズの最初は、難病に特化した「負けるものか」を出版。第2弾は、もっと世間に知ってもらいたいと分かりやすく映像化した「咲きほこれ、強く」。

 

 誹謗中傷に辛かった思いから人権に切り替え「ひとつぼし〜咲き誇れ、強くNext Season」を2020(令和2)年3月に出版し、健常者でも悩みを抱えている人など、誰にでも使えるようにした。

 

 寄贈図書は、市内小中学校に配布し、多くの子どもたちが読めるように冊数は学校規模に合わせる。

 

 ◎認定npo法人みらいプラネット公式サイト(外部)