小樽佛教会 尼港殉難者追悼碑補修に100万円寄附

 小樽佛教会(市内66ケ寺・麻上昌幸会長)は、尼港殉難者追悼碑の補修のため、1月16日(木)9:30から小樽市役所(花園2)で100万円の寄附贈呈式を行った。

 

 補修工事は2024(令和6)年9月末から始まり10月末に完成している。

 

 麻上会長をはじめ西山総務長と龍山事務部長が出席。迫俊哉市長へ目録を手渡し、小樽市から表彰規則の表彰状が贈呈された。

 

 迫市長は「長年に渡りお守りいただき感謝申し上げる」と述べ、麻上会長は「前会長から、昨年令和5年に小樽佛教会が140周年を迎え、その節目の記念事業で修復したいと考えていた」と話した。

 

 手宮公園内に建立された尼港殉難者追悼碑は、ロシア内戦中の1920(大正9)年3月〜5月にかけ、ニコラエフスク(現在のニコラエフスク・ナ・アムーレ)で、日本人居留民を含む住民虐殺事件が発生。日本人(熊本県天草市・茨城県水戸市)約650名が犠牲となった。

 

 その頃の小樽は、樺太とシベリア方面への物資積出港であったことから、1924(大正13)年に殉難者の遺骨を小樽で慰霊しようと、軍部に請願して許可がおり、市民に迎えられて浄応寺(石山町5)に一時保管。

 

 1937(昭和12)年に海運業で財を得た藤山要吉が、手宮公園内に慰霊碑と納骨堂を私財で建ててからは、この場所で毎年5月24日に市内僧侶や関係者が集まり法要が営まれていた。

 

 都市公園法の趣旨により、1989(平成元)年10月に遺灰は小樽市萬霊塔に遷安。2019(令和元)年5月24日には、同佛教会と小樽佛教鑽仰会が共催し、小樽典禮株式会社の協賛で参拝客など合わせて約100名が出席し、尼港殉難者100回忌法要が追悼碑の前と遺灰の安置先だった浄応寺本堂で盛大に執り行われた。

 

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