小樽市立美術館(色内1)2階特別展示室で開催中の「絵画で見る“炭鉄港”三人展〜伊藤光悦・輪島進一・羽山雅愉」の関連事業で、11月17日(日)14:00から朗読劇「波濤」が上演され、観客約80人が、絵画作品をバックに朗読劇の世界に吸い込まれた。
上演されたのは、荒波を乗り越えた北の海運王・栗林五朔の半生と栗林商会の物語で、劇作家の柳井祥緒さんが書き下ろし、2022(令和4)年に室蘭で演劇公演されている。
堀きよ美さん・高山和也さん・杉岡龍之介さんら11名がずらりと並び、留美さんの奏でる音楽とともに朗読劇が展開された。堀さんは、今年7月にも同館でたかたのりこ展とコラボレーション公演している。
2019(令和元)年に日本遺産に認定された「炭鉄港」のストーリーは、北海王の近代化を支えた、空知・室蘭・小樽を結ぶ名称で、空知の炭鉱を基軸に、室蘭の鉄鋼・小樽の港湾・これらを繋ぐ鉄道により、北海道の発展に貢献した北の産業革命を表する。
栗林五朔(1866〜1927)は、室蘭で石炭荷役や運送業を主とする栗林合名会社(現栗林商会)を設立し、室蘭港及び登別温泉の開発に尽力。
上演が終わると観客から大きな拍手に包まれ、堀さんは感謝に絶えないと声を詰まらせた。
製作総指揮の池野貴章さんや栗林商会の栗林宜徳常務取締役も一言ずつ挨拶を行い、NPO法人炭鉄の記憶推進事業団の平野義文理事長は、「室蘭でも波濤を見ている。いちファンとして楽しみにしてきた。素敵な音楽と相まって情景が浮かび素晴らしかった。
炭鉄港は、地域の繋がりが重要で、空知の石炭を軸として、小樽と室蘭がそれぞれの点で存在しているストーリーを面で繋げる。地域の連携がものすごく大切。こういった朗読劇が、小樽での炭鉄港の特別展で上演されることはとてつもなく大きな意義がある」と述べた。
星田七重学芸員は、「朗読劇は初めて。今後はこのような機会を増やし、絵画だけではなく、様々な催しを多ジャンルで構成する空間にしていきたい」と述べた。
室蘭在住の成田さんは、「室蘭でも波濤を見たが、今日も素晴らしくて泣いてしまった。後輩も出演していた」と感激が収まらない様子だった。
◎特別展Ⅲ「絵画で見る“炭鉄港”三人展〜伊藤光悦・輪島進一・羽山雅愉」(外部)
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