2024(令和6)年度第75回小樽市文化祭が、9月26日(木)から美術市展を皮切りに、芸術の秋を彩る市内4会場・14種目で開幕した。
9:50から市立小樽美術館(色内1)1階研修室で、開幕を祝うオープニングセレモニーが行われ、同文化祭実行委員会・北川稲谷会長をはじめ、文化団体協議会などから25名が出席しテープカットで祝った。
北川会長は、「市民に文化芸術の秋を楽しんでもらいたい。文化の香り高い小樽を目指して文化力向上を祈念する」と挨拶した。
上石明副市長は、「市民には、それぞれに芸術性の高い作品やステージを心ゆくまで鑑賞してもらい、文化芸術の秋に触れる中で、心豊かなひと時を過ごしてもらいたい」と述べた。
同館1階多目的・市民ギャラリーと2階企画展示室で、第77回市展(福原幸喜市展委員長)が10月6日(日)まで行われ、最終日14:00からは展示会場で委員による講評会を実施。
今回は59人・89点の応募があり、71点の入選作品と市展賞をはじめ、受賞作品12点を2会場に展示。1階は受賞作品も多数展示し、多目的ギャラリー27点・市民ギャラリー31点、2階は市展委員作品46点・一般入賞作品11点を展示している。
最高賞の市展賞には鎌田順子さんの水彩画「夜明けの銭函海岸」が選ばれた。
東京出身の鎌田さんは、夫の転勤で10年前から小樽に住み、絵はデザイン学校で学び、若い頃から描き、コロナ前に再び絵画を習い始めた。
市展にはコロナ前に1度、コロナ後に3回出展。前々回にユネスコ賞を受賞し、今回は最高賞に輝いた。
「銭函の海岸の石をいろいろな人生に例え、波消しブロックのように波にさらわれることなく、自分の意思をしっかり持とうという思いで作品を描いた。東京の友人とも離ればなれになったが、小樽には良いところが沢山あり、楽しく過ごしていることを発信し、小樽の良さを友人にもおすそ分けしたい」と受賞を喜んだ。
市長賞には、12年前から道新文化センターで水彩画を学んでいる、厚谷智子さんの水彩画「夜からの訪問者Ⅱ」が選ばれた。一昨年は分団協賞、その前年には国際ソロプチミスト賞、今回は市長賞を受賞。
「ウイスキーやワインボトル・トランプを描くのが好きで、レッドカーペットを描き、夜の訪問者をイメージした。展示している自分の作品を見て、直したいところが沢山ある。受賞は自分でもびっくりしたが、これからも頑張って沢山絵を描きたい気持ちが沸いてきて、受賞が励みになる」と述べた。
2人を指導してきた三留市子市展委員は、「力作揃いで、審査会を9月22日に開いたが、甲乙つけがたく審査も大変だった。新しい人も挑戦し、昨年より10点ほど多かった。バラエティーに富んだ作品が多かった」と話していた。
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