小樽総鎮守住吉神社 鎮座150年記念誌完成

 鎮座150年となる小樽総鎮守住吉神社(住ノ江2・星野昭雄宮司)が、記念事業の一環で記念誌「住吉神社百五十年誌」を作成。

 

 9月25日(水)に、星野宮司をはじめ、神社役員の松島英治さん・福島正紘さん・澤田忠宏さんが出席し、市役所(花園2)2階市長応接室で贈呈式を行った。

 

 明治元年から数えて2018(平成30)年に鎮座150年を迎えた同神社は、記念事業として、同年から2022(令和4)年にかけ、3カ所ある参道階段の整備・社務所前と手水舎前の参道の石段と石畳の整備・副参道の整備を行い、参拝する環境を整えた。

 

 参道脇の樹木の枝を払い、参道から海を望む景観を創出したことで、第25回小樽市都市景観賞を受賞。

 

 また、百五十年誌作成を計画。1963(昭和38)年の大火で、鎮座から資料を収めていた住吉文庫が消失してしまったことが分ったが、小樽には同神社を撮影した写真が沢山残っていて、写真から記録を紐解こうと、小樽市総合博物館・総務部広報広聴課・浜田カメラ・湊光行さんからの写真と同社の写真と合わせ、同博物館の協力で年表に落としながら、6年の歳月をかけ2024(令和6)年7月15日の例大祭に合わせて完成させた。

 

 第一鳥居の奉納者の廣海二三郎氏と大家七平氏の当初記録や図面などの文献が消失してしまったが、小樽の歴史とともに歩んできた小樽の豪商ということで確認しながら記述したという。

 

 現在地に鎮座したという年が、1881(明治14)年と1898(明治31)年と2説あり、整合性が分からなかったが、北海道新聞の前身となる新聞で調べることができ、明治14年に国道沿いに仮社殿が建立されたが、当時鰊漁が落込み17年の歳月を経て今の位置に建ったことが分かった。

 

 編集制作の有限会社ウィルダネス・佐藤圭樹氏を編集者に、A4サイズで80ページで写真を多く掲載し読みやすくし300部のみ発行。販売はしていないがCDログも制作した。神社の記念誌は活字ばかりのところが多いが、写真を中心に作られ読みやすさを強調。

 

 手水桶を奉納した木村圓吉氏と6代目の顯三氏が一緒に写っている写真や、神社の雪景色・大勢の初詣客・にぎやかな祭り行列の勝納町の神輿渡御など、貴重な写真が満載だ。

 

 小樽市・教育委員会・図書館・同博物館にそれぞれ2部ずつ寄贈し、鳥居や150年の寄附者や全国の神社にも寄贈。

 

 星野宮司は、「小樽の歴史とともに歩んできた神社。小樽研究の一助となればと思う。小樽の文化も垣間見ることができる。CDログも作成しぜひ活用してもらいたい」と述べ、迫俊哉市長は「読むのが楽しみ。大切にしたい。日本遺産の作業にも参考にしたい」と話した。

 

 ◎小樽住吉神社(外部)