終戦から79回目の祈り 緑丘戦没者慰霊祭

 国立大学法人北海道国立大学機構小樽商科大学(緑3・穴澤眞学長)は、79回目となる終戦記念日の8月15日(木)、蝉の鳴き声が響き渡る緑丘戦没者記念塔前で、遺族をはじめ学校関係者ら約70名が出席し、緑丘戦没者慰霊祭を行い、12:00を知らせるサイレンと共に、参列者全員で黙祷を捧げた。

 

 大学構内東側にある石狩湾を望む高台にひっそりと佇む記念塔には、亡くなった教職員・同窓生347の名が刻まれた墓石と、「戦いの野に果つるとも 若き命 この丘にとどまりて 消ゆることなし 友よ 安らかに眠れ」と書かれた石碑が納められている。

 

 穴澤学長は、「世界各地で紛争が繰り返されている。様々な形で戦争の傷跡は、未だに我々の身近に存在する。平和はまだ訪れていない。

 

 平和を実践し維持することが私たちの使命であり、これからも世界の平和に貢献する人材の育成に力を注ぎたい。慰霊祭も昨年からコロナ禍前の状況に戻すことができた。

 

 私たちは、若くして亡くなった諸先輩の分も力強く生きていかなければならない。ここに改めて戦争の悲惨さと平和の尊さに思いを馳せ、故人を追悼したい」と挨拶した。

 

 緑丘会札幌支部・平塚彰支部長は、「緑丘戦没者諸先輩がかけがえのない命を持って示された、戦争の悲惨さと平和の尊さを風化させることなく未来へと語りつぎ、希望に満ち溢れ健康で心豊かな平和な社会を永遠に築いていくことが、今を生きる私たちに課せられた使命である」と述べた。

 

 遺族・一般参列者・同窓生・同期会・学校関係者の順番で、記念塔へ入って白菊を手向け故人を偲んだ。同大合唱サークルグリー&カンタール6名が校歌を斉唱し、参列者も一緒に口ずさみ式を締めくくった。

 

 同サークルの大友佑哉さん(3年)は、「学徒出陣で亡くなった347名の諸先輩に思いを馳せ、献花をさせてもらう時に、校歌を歌わせていただきますと心の中で報告して歌った。参拝者の皆さんと校歌で心がひとつになれば」と話していた。

 

 ◎国立大学法人北海道国立大学機構小樽商科大学(外部)

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