2024(令和6)年の小樽港クルーズ船寄港の16隻目となる「飛鳥Ⅱ」が、7月31日(水)8:00に小樽港第3号ふ頭に接岸。小樽港クルーズ推進協議会(迫俊哉会長)は、約6年ぶりに寄港する飛鳥Ⅱを歓迎するセレモニーを開催し、観光関連事業者を対象に小樽港クルーズセミナーや船内見学会、特別講演会を行った。
同船を運営する郵船クルーズ株式会社は、小樽市(迫俊哉市長)とはゆかりが深く、1878(明治11)年に日本郵船の前身の会社が小樽支店を開設し、1906(明治39)年には旧日本郵船小樽支店を新たに建て、その建物は現存し国の重要文化財に指定され、小樽の歴史を象徴する建物のひとつである。
9:15から第3号ふ頭16・17番岸壁で歓迎セレモニーが開かれ、迫会長をはじめ、鈴木喜明市議会議長・西條文雪観光協会会長、コンシェルジュの金子侑里香さんら12名と、渡辺恒介船長・三浦誠機関長・小川智也ホテルマネージャーが出席した。
迫会長は、「心より歓迎する。滞在時間は限られているが、小樽の歴史・周辺地域の自然や食材を満喫できると思う。近い将来、飛鳥Ⅲが就航される。小樽の魅力をしっかりとアピールさせてもらい、沢山入港してもらいたい。航海の安全と乗船客が楽しまれることを祈念する」と挨拶。
小樽市から記念楯や記念品・花束が贈呈され、船長からは飛鳥Ⅱオリジナル焼酎「晴耕雨読」と飛鳥クルーズオリジナルクラフトジン、オリジナルグッズが返礼品として贈られた。
渡辺船長は、「久しぶりの寄港で、飛鳥Ⅱの運航会社の郵船クルーズの母体の日本郵船がかつてここに支店があった港で、ゆかりのある港だと感じている。小樽港は、近代に入ってから石炭の積み出し港として発展、その頃からある建築物・歴史・近隣の支店と非常に豊かな観光資源があり、私も時間があれば見学したい。ぜひとも今日1日小樽を満喫して出港したい」と述べた。
10:15から事前申込を済ませた30名が3班に分かれて船内見学会に出発。社営業部法人営業チーム・大石展滋チーム長らがガイド役を務めた。
同船は、総トン数50,444トン・全長240.96m・初就航1990年・客室数436室・乗客定員872名・乗組員490名。
小樽港湾センター3階第1会議室では、観光関連事業者約50名に、大石センター長を講師に迎え、クルーズ船のビジネスモデルをはじめ、クルーズ船社から見た日本市場について、寄港地観光に求められるもの、クルーズ船についての理解を深める、小樽港クルーズセミナーが開催された。
大石センター長は、「日本発着クルーズは、インバウンドの増加により日本発着を実施する外国船社が増加中。日本船社の動向は、郵船クルーズでは、2025年飛鳥Ⅲ(約52,000トン)の運航を開始し、飛鳥Ⅱとの2隻で展開する。
商船三井クルーズでも、2024(令和6)年冬に約32,000トンのMITSUI OCEAN FUJIとにっぽん丸の2隻体制となり、さらに、2027(令和9)年には新造船2隻の投入を予定している。
小樽は、海と街が近いことが他港にない大きな魅力で、積丹・ニセコなどの観光地も近い。発着クルーズの獲得を目指す、アジアエリアからの直行便が多い千歳空港に近いメリットは大きい。札幌に宿泊するのではなく、小樽での宿泊を促し滞在時間を伸ばす仕掛けづくりも必要」と話した。
最後に、「クルーズ船担当尾者は見た、乗客の1日」と題し、小樽市産業港湾部港湾室・富樫誠港湾振興課課長が情報提供を行った。
迫会長は、「クルーズ船寄港は昨年春に再開され、今年は32回を予定し、飛鳥Ⅱは16回目の寄港で後半戦を迎える。飛鳥Ⅱが寄港され特別は思いを感じている。小樽港は、乗船客の皆さんが市内で消費され、施設の入館料・船内で使用する日用品など経済効果も期待し、市の財政にクルーズ船は多く寄与している。
これまでの勝納ふ頭から第3号ふ頭に接岸し、市民の目に触れる機会が多い。いろいろな角度からクルーズ客船を撮影し発信している。第3号ふ頭に停泊し、小樽港のPRにも繋がっている。小樽の歴史を感じ、近郊の余市・ニセコ・積丹などを満喫してもらいたい」と話した。
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