熱心に蜃気楼観測を続ける札幌在住の柴田進さんが、7月5日(金)13:30~15:30頃に、小樽の朝里海岸から蜃気楼(高島おばけ)の発生を確認した。
この日の石狩湾の海水温は約18℃、小樽の最高気温が29.5℃。手稲山口では31.3℃まで上がった。
全体的に波は穏やか。小樽側の風は風速2m/s前後で、風向も北東方向に安定的に続いたのが蜃気楼を発生させたようだ。その後、南西方向に変わり、風もやや強くなったので再度発生を確認できなかった。
一方、手稲山口側も同様に風は弱く、条件的には悪くなかったが、石狩湾新港のタンク群や火力発電所等に変化は少なく、やや縮んだ姿を見せるだけだった。
ただ、北石狩衛生センターはモヤがきつくなったものの、15:00過ぎに変化が現われた。(写真提供:柴田進氏)
上段は、高島岬の岩礁が伸び上がった姿をとらえた。左上の赤白の建物は日和山灯台。撮影場所から対象までの距離が約8kmと近く、モヤ・霧が少なかったので比較的クリアに見えたのが幸い。(下段が通常の見え方で到着してすぐに撮影したもの)
上段は、画面中央やや右に見えるのがおたる水族館。その下に見えるのが祝津の街、建物で、ビルや大きな塀ができたような姿を見せた。よく見ると中央に赤色灯台があり、それも伸び上がっているのがわかる。(下段が通常の見え方)
上記の撮影から10分後によりズームして撮影したもの。
上段は、番屋やその周辺の建物の中段の高さ部分が極端に伸び上がって変化したもの。左側のオレンジ系色の建物壁面が3倍ほど伸び上がっている。また、右側の赤灯台が高く伸びていたり、右端の建物の窓のサイズが縦長に大きく伸び上がっているのもわかる。(下段がほぼ通常の見え方)
上段は、青塚食堂や小樽セーリング協会、小樽祝津マリーナ等の2階建屋部分が伸び上がっている模様だ。左端のグレーの施設(ほたて洗浄施設?)と比較するとわかりやすいかもしれない。(下段が通常の見え方)
ややモヤが強くなってから発生した蜃気楼で、上段は、北石狩衛生センターの煙突が特に伸び上がっている様子をとらえた画像。背景の海岸壁も伸びている様子。
中段は、建物本体が上下2段になったように見え、興味深い。この建屋は、他の対象物と比べ、変化のバリエーションが豊富でおもしろい姿を見せる。蜃気楼観測をする場合、ここをチェックするのがポイント。(下段がほぼ通常の見え方)
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