6月23日(日)9:00~15:00、小樽住ノ江火の見櫓をまもる会(早川陽子代表)が、住ノ江火の見櫓スケッチ会を開いた。
火の見櫓は、1927(昭和2)年に建てられた施設で、1986(昭和61)年の住ノ江会館建て替えに伴い、現在の場所に移動。火災の早期発見・消防団の招集・町内会の警鐘の発信に使われていた。
市消防団第6分団で所有し管理していたが、老朽化が激しいため解体する方針を決めていた。2022(令和4)年3月にまもる会を設立し、同年6月に同施設の所有者となり、地域の宝として守ろうと、Tシャツやバッチ・トートバックなどのオリジナルグッズを開発して販売し、寄附を募り改修費用に充てた。四本足の躯体を修繕補強しペンキを塗るなどし、解体の危機から守った。
高さ14mで、北方向を指す風見の矢印が印象的で、屋根の四隈のくるくるとした装飾や、1952(昭和27)年石巻市新沼金物店の寄贈の見張台の鐘もあり、見張台は、上部がカーブし縦線で構成。四本足の躯体で柱や筋交いはすべてL型鋼で構成され、小樽の鉄工業ならではの使い方。
建設年や施工者を示した銘板があり、消防信号は第6分団第3分遺所に保管されている。
まもる会では、火の見櫓の歴史や建築特製の調査・つた取りや錆取りなどの掃除・見学会や座談会、保全に向けた補助金・募金活動、市内のまちづくり団体との連携活動、国の登録有形文化財を目指している。
火の見櫓の下には、ボランティアにより季節の花が飾られ、スケッチ会の日は綺麗な紫陽花に囲まれていた。
写生がほどんどだという男性は、「先週から描いているが難しい。歴史があるものを描くのは面白い」と、作品を完成させ提出していた。
7歳と3歳の姉弟はぬりえに挑戦し「楽しい」と話し、母親は「いつも通勤で見ている。綺麗になったのも知っていた。子どもは絵を描くのが好きで、誘われたので参加してみた」と話していた。11:00過ぎには、2人の男性が新たに参加した。
早川代表は、「この度修繕して綺麗になり、知らない人にも改めて存在を知り、スケッチすることで魅力を引き出し、綺麗になった火の見櫓を見てほしい」と話した。
7月2日(火)~7日(日)、長崎屋小樽店(稲穂2)1階公共プラザでスケッチ会の作品展示会を行う予定。
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