夏日の小樽に蜃気楼出現!

 札幌市在の蜃気楼ウオッチャー・柴田進氏から、6月8日(土)に蜃気楼を確認したのと情報が寄せられ、以下の通りのコメントと写真が提供された。

 

 日時:2024年6月8日12時半頃~16時40分頃
 撮影場所:札幌市手稲区山口緑地(高さ10~15mぐらい)
 撮影者:柴田進氏

 

 「この日の石狩湾の海水温は約15℃。小樽の最高気温が25.2℃と手稲山口では28.7℃までとなった。この日は午前中は霧・モヤがあったものの午後には解消する予報だった。

 

 全体的に波は穏やか、午前中は手稲山口側の風が蜃気楼発生するにはやや強かったが、午後に入ると3m/s以下と望ましい環境になった。

 

 あとはいつものパターンで、東南東~南東の温かい風が石狩湾に十分蓄えられたあとで、北西方向の風に切り替わると発生しやすいので、この経験値・経験則が今回も生きたかもしれない。実際に午後3時半頃に北西方向に変わり、30分後に発生したように思える。

 

 一方、小樽側は風も弱く、北東方向のゆるやかな風が数時間続くと発生しやすい傾向なので、根気よく待っていたところ、午後4時過ぎに小樽・高島岬周辺にモヤが発生し、その後、対象物に顕著な変化が現われた。

 

 今回の発生がどちらの要因か、あるいはその両方なのか不明だが、札幌市内からも十分蜃気楼が見られることが確認できた。ちなみに、山口緑地から高島岬・トド岩までの距離は約19Km。北西方向。

 

 なお、小樽の街並みや小樽港に、今日停泊していた豪華客船(ダイヤモンド・プリンセス)が見えたが、蜃気楼発生時(16:04~16:28)には、モヤと太陽光の関係でその変化はわからなかった。また、他の時間を含め、海上に航行する船舶・ヨット等にはごくわずかな変化があったものの顕著な変化はなかった。

 

 トド岩蜃気楼Bの上段は、右端のトド岩の高さ(22m)が2倍ほど伸びている。高島岬の湾曲部がゆるやかになって、上に伸びている。また、祝津の街の建物がぼっと伸び上がっているのも見えます。下段は通常の見え方(=実景)です。

 

 トド岩蜃気楼Cの上段は、トド岩の高さがほぼピークの時に近いでしょう。これぐらいの高さまで変化した蜃気楼を札幌市内からも見られるのは珍しいかもしれません。今後は多くの方に見ていただきたい。

 

 なお、いつも観察している銭函海岸と違い、やや高島岬とトド岩の間隔が空いています。また、今回観察場所がやや高い位置(10~15m)ですので、蜃気楼の変化の違いがあるかもしれません。たとえば、低い位置の対象物は変化がない、あるいは少ないなどの点が考えられます。可能なら海面から近い高さでの観測をおすすめします。

 

 海面・波の蜃気楼は、高島おばけを見るために、海上にできる波や海面の蜃気楼、あるいはその予兆がわかると便利です。この画像でいえば、その一つが、ヨット背面に見える波・海面です。水平線が傾いたり、波のような姿になっているのがわかります。これを見つけてください。これが近くにあるとその対象物が蜃気楼化されることが多いのです。また、時間とともにこれが移動するので、その先の対象物が変化するかしないかが予想できます。」

 

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