小樽市総合博物館(手宮1・石川直章館長)では、1909(明治42)年製造の蒸気機関車アイアンホース号の今シーズンの運行が4月29日(火・祝)から開始され、中央駅と手宮駅の間を汽笛を響かせ豪快な白煙を上げて、運行開始をアピ―ルした。
29日(昭和の日)の祝日は、気温も6℃前後と1日を通して肌寒く、未明から雨が降り続くあいにくの天気となったが、1日3回の運行を心待ちにしていた市内外から316名が乗車体験に参加した。
昨年10月20日(日)に運行を終了した同車両は、本館構内にある国指定重要文化財の旧手宮鉄道施設の機関車庫内で冬眠。運行開始に合わせてスタッフの入念な準備の甲斐があり、機関車庫から出庫する様子も公開され、半年ぶりの雄姿を披露した。
アイアンホース号は根強い人気があり、転車台での方向転換・客車との連結なども見逃さず、初回の11:30の便に乗車する子ども20名を含む60名が中央駅に集まった。
構内の線路際に植樹されたエゾヤマザクラが、運行開始のタイミングに合わせて満開となり、乗客は車窓から桜を愛でながら明治の客車の雰囲気も体感した。
希望者は乗車したままで、それ以外は手宮駅で一旦下車し、転車台で方向転換を見学。再び中央駅に向けて発車し、往復400mの構内運行を約30分間かけて楽しんだ。
市内在住のりく君(2)は「ガタンゴトンと音がして楽しかった」と話し、母親は「今日の運行に合わせて初めて乗った。電車や車など働く車が大好きなので、また乗せたい」と話していた。
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