専門学校日本工学院とITOKIが実施する第16回高校生いすデザインコンテストで、北海道小樽未来創造高等学校定時制電気・建築科建築コース3年佐藤羚那さん(18)の作品「Kindness」〜ささやかな贈り物〜が、審査委員特別賞を受賞した。
今回は「思いやる“いす”」をテーマに、全国の高校生から868作品の応募があり、金賞1点・銀賞2点・銅賞3点・審査委員特別賞3点が選ばれた。
佐藤さんの作品は、毎年冬に行われる小樽雪あかりの路にスポットを当て、手を冷たくしながら頑張って作ったり、小さい子どもと一緒に作って多少いびつになったり、それぞれに色や形があり、その雪あかりが集まるとみんなの顔があかりの中で輝いて見え、幸せな気持ちと思いやりの気持ちでいっぱになる椅子ができたらどんなにいいだろうと考えたという。
耐熱性のある5mmのスチレンボードを使って暖かくして、椅子の下には中学生の頃作成したワックスボウルを置き、ロウソクを灯して椅子の裏側から見ても雪あかりになる。
担当教諭から、昨年10月にコンテストの話を聞き挑戦してみようと、11月25日の締切まで3週間で12時間以上の時間を制作に使い、模型の写真を掲載したプレゼン資料も提出。同校定時制では初出展で初受賞の結果となった。
佐藤さんは、2人の弟と小樽雪あかりの路に何度か行ったことがあり、ハート型のオブジェで写真を撮ったり、滑り台を滑ったり楽しい思い出があり、その雰囲気に合うような椅子をデザインし、「案を出すのに苦労したが、外に出ると冬で、雪を連想して雪あかりの路に辿りついた。応募数が多かったが自分の作品が選ばれて嬉しい。できれば金賞を取りたかった。アイディアを考えたりものづくりが好き」と再挑戦する意思を示した。
審査員は、「雪あかりの路の行事で、人々が手作りの雪あかりを持ち寄って、寒さの中に温かい心の繋がりや憩いを演出し、そんな中に雪あかりを思いやる椅子を置くというアイディア。厚手の発泡スチロールに囲まれた座面の下に光源を設けた椅子は、背面から見るとまさに暖かい雪あかり」と高く評価した。
担当教諭は、「生まれ育った地域のイベント雪あかりをテーマに、高校生らしい発想が良かった」と話していた。
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