朗読と琵琶で源氏物語“夕顔の世界”へ 小樽美術館

 

 

 2025(令和7)年度特別展「能舞台の華」プレイベント「朗読と琵琶—源氏物語 夕顔」が、3月16日(日)13:00から市立小樽美術館(色内1)1階市民ギャラリーで開かれ、100名が参加した。

 

 多目的ギャラリーでは、15日(土)と16日(日)の同イベントに合わせ、前結び宗家きの和装学苑山ノ内支部さくらの会(山ノ内順子支部長)の「結心展」を開催し、帯を切らずに作る宝船や鶴、花のオブジェや着付け38点を展示。

 

 不要になった思い出の帯を活用し、帯6本を使った美瑛の青い池をイメージしたオブジェもあり、来場者は興味深く見入っていた。

 

 振袖や袴などの着付けの展示コーナーでは、鎌倉時代を想定した花嫁衣裳にも注目が集まった。

 

 山ノ内支部長は、「すごく反響があり、教室を開催してほしいとの要望も多かった。小樽に根づく着物文化を生かしてほしい」と話していた。

 

 16日(日)13:00から市民ギャラリーで、女優・堀きよ美氏と現代琵琶法師・黒田拓氏のユニット「水鏡」が、日本文学最高傑作・紫式部の「源氏物語夕顔」を琵琶演奏と朗読で表現。

 

 堀氏の朗読に合わせ、黒田氏が薩摩琵琶や音の高い筑前琵琶の調べを奏で、観客は、平安時代の情景をさらに想像させ、次々と変わる情景に吸い込まれるように耳を傾けた。

 

 終演後、黒田氏による琵琶の解説や薩摩琵琶の演奏体験も行われ、参加者は貴重な体験に喜んでいた。

 

 市内在住の高田さんは、「大河ドラマの光る君への影響もあり、世界観を知りたくて参加した。幽玄な世界や摩訶不思議な世界を感じ、平安時代にタイムスリップしたようだった」と満足した様子だった。

 

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