小樽水産高校生が小学生に“ニホンザリガニ授業”

 小樽水産高等学校(若竹町9・亀山喜明校長)栽培漁業科3年の田中柊介さん・並木省吾さん・桐本惺汐さんが、小樽市立幸小学校(幸4・草島拓也校長)2年生18名を招き、小樽のニホンザリガニについて、同科・藤本崇人教諭が、馴染み深い鮭について授業を行った。

 

 今回講師を務めた田中さんと並木さんは、11月1日(金)厚岸翔洋高校で開催の2024(令和6)年度第45回全道水産クラブ研究会で、「小樽のニホンザリガニを調べてみた」のテーマで発表し、4校11チーム28名の中から最高賞の優秀賞を受賞した。

 

 北海道地区を代表して、12月13日(金)愛知県三谷水産高校開催の第33回全国水産海洋高等学校生徒研究発表会に出場。全国大会へは、田中さんと並木さんに代わり、三條さんが出席して奨励賞を受賞した。

 

 優秀賞受賞報告で小樽市教育委員会を表敬訪問したところ、中島教育長から、市内の小中学生にテーマであるニホンザリガニの話をしてほしいと依頼があり、今回の授業が実現した。

 

 小学2年生の中にはニホンザリガニを知らない児童もいて、どんな生き物かクイズを交え、アメリカザリガニ・ニホンザリガニ・ウチダザリガニの3種類が、北海道のどんな場所に生息しているか、実際に小樽で捕獲した様子を動画で紹介。

 

 今回、授業で生きたニホンザリガニを見せたかったが、雪が多く見つけることができなかったという。

 

 「人間の都合で湧き水を減らしコンクリートの場所が増えたことで、ザリガニが生きていけなくなり、道内全域で減少している。ぜひ家の近くで、家族と一緒にニホンザリガニを見つけてほしい」とまとめた。

 

 児童は真剣に話を聞き、ザリガニが川にいるのはなぜか、どこにいるのか、ザリガニの子どもは何を食べるのかなど、質問が飛び交った。

 

 また、30種類ほどの海の生き物が飼育されている飼育室も見学。いくつのも水槽が置かれ、水族館のバックヤードようになっていて、児童は目を輝かせて生き物と対面した。

 

 カワムツ・イソダイ・フグ・メダカなど、生徒が川で獲った生き物も飼育され、ウニやカニ・ナマコには触れることもできた。児童は、興味津々で時間を忘れて見入っていた。

 

 藤本教諭の授業では、66種類もある鮭の生態や特徴がクイズ形式で出題され、生まれる場所や産卵後の様子が説明された。

 

 同科の生徒が古平の実習場でふ化させ小さな水槽に入った2ヶ月の稚魚を、目の前で観察してスケッチ。スケッチすることで鮭の様子がもっと詳しく知ることができた。

 

 藤本教諭は、「鮭は食べて美味しく捨てるところがない。鮭は昔から大事にされてきた。4年で川へ戻った鮭を獲り、どうしたら増やすことができるか、豊かな海を守れるか、みなさんも学んでほしい」と話した。

 

 鈴木君は、「クイズがあったり楽しかった。話を聞いてザリガニを獲ってみたいと思った」と話していた。

 

 今回の授業を経験した田中さんは、「子どもたちがとても楽しそうにしていて、めったに見られない魚たちを見せることができて良かった。他の学校の子どもたちにも授業したい」と話し、並木さんは「小樽に住み良い経験になった。自分の今後にも繋げたいと思った」と話していた。

 

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