旅するピアノプロジェクト 報告会&コンサート

 2月22日(土)小樽芸術村旧三井銀行小樽支店(色内1)で、旅するピアノプロジェクトfrom 小樽(佐藤慶一代表)が、3部構成で報告会とイベントを開催。

 

 約80名が来場し、第1部はピアノで綴る賢治童話の世界(朗読)、第2部は東北ツアー2024の報告座談会、第3部はコンサートを行った。

 

 旅するピアノは、東日本大震災で被災した人に音楽を届けたいと、小樽市の有志が始めたプロジェクトで、「私たちにできること・サスティナビリティ(持続可能性)」を合言葉に、音楽を届けることを続けようと、おたるレンガ横丁(稲穂1)にある誰もが自由に弾ける「ストリートピアノ」が縁となり、3月11日開催の「ストリートピアノでつなぐ祈りのハーモニー」への参加が決まり、2016(平成28)年2月に小樽から2人のアーティストが釜石を訪ねたのがはじまり。

 

 同プロジェクトメンバーとして、佐藤代表・山中泰氏・荒澤之博氏・岩森勇児氏・三浦明子氏・関口ゆかり氏とMCで畠山典之氏が参加し、第1部ピアノで綴る賢治童話の世界では、小樽と岩手を繋ぐ石川啄木が作詞した「初恋」でスタート。岩手県花巻市出身の宮沢賢治の初期作品「どんぐりと山猫」を畠山氏が朗読し、三浦氏と関口氏が物語の情景をピアノで奏でた。

 

 第2部は、旅の様子と東北の今の報告座談会で、小樽出身の歌手・岡本敦郎の歌「高原列車は行く」で始まり、2024(令和6)年11月2日(土)に、2019(令和元)年から訪問を続けている福島市こじか「子どもの寮」とこじか保育園、3日(日)に釜石市のカトリック釜石教会を訪問した8回目を報告

 

 山中氏は「本音を聞くことができ、ようやく心を開いてくれた」と話し、三浦氏は「自宅へ訪問したり手紙で交流をしている人がいて、旅するピアノのモチベーションを上がっている。この訪問を続けたい」と話し、佐藤代表は「絆を繋げ深めて、小樽と被災地の交流の懸け橋になれば」と期待し、畠山氏は「音楽を楽しむ交流として続けることを願っている」と話した。

 

 第2部の最後には、三浦氏の演奏で「もしもピアノが弾けたなら」を畠山氏が歌い、報告会を締めくくった。

 

 第3部は、三浦氏と佐藤代表の連弾でA・ピアソラ「リベルタンゴ」、関口氏演奏のF・リスト「ため息」などでピアノコンサートが開かれ、観客は生演奏を身近で楽しみ、心癒されるひと時を過ごしていた。

 

 小樽在住の女性は「初めての来場。朗読もとても上手で良かった。ピアノを弾く手元が見たくて見える場所に座った。活動が継続されていてすごいと思う。被災地へは特に何もしていないが、サンモールでの祈りのハーモニーでは一緒に歌いたいと思う」と話した。

 

 3月11日(火)14:30からおたるレンガ横丁前で、ストリートピアノでつなぐ祈りのハーモニーを開催。全国17カ所から東北へ向けて音楽でエールを届ける。

 

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