2月28日(金)～3月9日(日)に市立小樽美術館(色内1･苫名真館長)1階市民ギャラリーで、同館と藤間流扇玉会(藤間扇玉会主)主催の「写真展 藤間扇玉のあゆみ」を初開催する。
小樽が誇る日本舞踊家で日本舞踊藤間流扇玉会会主の藤間扇玉(本名:藤森茂子1938～)の、師籍60年と2024(令和6)年度北海道文化賞受賞を記念し、同氏の艶やかな舞台写真を紹介。
1974(昭和49)年小樽市民会館で開催の藤間扇玉会舞踊発表会で、同氏が踊る「長唄鷺姫」、1987(昭和62)年に夫･藤森茂男氏を偲んで同会発表会で、扇玉氏･藤森玉恵氏(次女)･藤森彩氏(三女)が踊る「大和楽 花しぐれ」など、これまでのあゆみが見て取れる写真20点と、おたる潮まつり初期から今に至る写真や、運河保存運動先駆者の妻であった写真、思い出が詰まった家族との秘蔵写真もA4サイズにプリントして30点を展示し、舞台映像と共にあゆみを辿る。
写真展に合わせて、同氏お気に入りの画家･横山文代さんが描く一家の踊る姿の絵や、夫･茂男氏の書「舞」、書家･北川稲谷氏の書「舞」なども展示。
同氏は、おたる潮まつりの「潮音頭」と「潮踊り唄」の振付を考案したひとりとして知られ、長年に渡り、市内の小･中･高校、企業へ丁寧な踊りの指導を1年を通じて行っている。
1962(昭和37)年に藤間流名取、1964(昭和39)年に師範を取得し、懸命に舞踊家･指導者として長年にわたり活動を続け、東京国立劇場の舞台に3度出演し、3人の娘も名取･師範に育てた。
潮まつりが縁で結婚した夫･茂男氏は、命がけてで運河保存運動に携わり49歳の若さで亡くなった後、小樽伝統文化の会を設立して会長となり、「和を遊ぶ」を通じて、現在も子どもたちをはじめ、多くの人々に日本の伝統文化を伝えている。
2016(平成28)年小樽市功労者(教育文化部門)表彰を受賞。2019(令和元)年公益社団法人日本舞踏協会北海道支部長に就任。
同氏は、「人生を振り返ると、大変悲しかったこと･とても苦しかったことを思い出すが、賞を受けしたことで、すべてがハッピーに変わった。賜ったその財産を汚さず、日本の伝統文化である日本舞踊をしっかりと守り･学び、後の人々に伝えていくべく、これからも精進し、踊ることを通じてひとりでも多くの方に幸せを感じていただけますようにとも念じている」と述べている。
長女の藤間扇久華(五月)氏は、「藤間扇玉と言えば潮音頭の先生と思っている市民が多く、潮音頭が市民に馴染んでいる証だと大変嬉しく思う。今回の写真展を機会に、藤間扇玉が辿ってきた日本舞踊のジャンルを知ってもらいたい。高齢の方々には、扇玉のあゆみを辿ることで自分の人生の道のりを時代と共に味わってもらえたら幸い」と来場を呼びかけている。
北海道文化賞受賞･師籍60周年記念写真展 藤間扇玉のあゆみ
2月28日(金)～3月9日(日)10:00～17:00(最終日16:00)
市立小樽美術館(色内1)1階市民ギャラリー 観覧無料
2月28日(金)14:00～15:30
関連事業「私の舞踊と人生」～私の中の歴史より(道新12回連載)
藤間扇玉氏 聞き手:北海道新聞小樽支社･宮本武報道部長
3月2日(日)14:00～15:00
対談 古平町民謡「たらつり節」のこと
藤間扇玉氏×高橋寿美氏(たらつり節踊り保存会代表)×杉本真沙彌氏(たらつり節愛好会小樽代表)
同日15:00
歌唱と踊り
たらつり節踊り保存会×たらつり節愛好会小樽×藤間流扇玉会
3月9日(日)13:00～14:00
ギャラリートーク「潮まつりのこと」
藤間扇玉氏×山田勝磨氏 聞き手:藤森五月氏
3月9日(日)14:00～15:30
潮太鼓打演 来場者と潮音頭を踊る
◎北海道文化賞受賞･師籍60周年記念写真展 藤間扇玉のあゆみ(外部)
◎関連記事
