2月4日(火)、「北海道の心臓と呼ばれたまち・小樽」が、日本遺産に認定されたことを文化庁が発表した。
小樽市にとっては、市単独の日本遺産は初認定となり、認定済みの北前船と炭鉄港を合わせて3件となった。
迫俊哉市長は、「日本遺産に認定されたことを大変光栄で、心から嬉しく誇りに感じている。
本市単独の日本遺産認定は関係者の悲願。一度は不認定という結果を受け、諦めることなく再申請して、官民一体となって取り組んできた努力と情熱の賜物。皆さんに心より感謝する。
認定はゴールではなくスタート。歴史と文化を生かしたまちづくりを進め、地域活性化へとつなげたいと考えている」とコメントを寄せた。
2020(令和2)年度の日本遺産認定を逃し、2021(令和3)年3月23日に再申請した際には20件の申請があり、日本遺産審査・評価委員会における審議を経て、同年7月に、小樽市と千葉県富津市と鋸南町の「天空の岩山が生んだ信仰と産業〜房州石の山・名勝地鋸山は自然と歴史のミュージアム」、京都府京都市「おもてなし文化〜受け継がれてゆく京の花街〜」が日本遺産候補地域に選ばれた。
正式認定までの3年間、人材育成として小樽市日本遺産推進協議会主催の日本遺産地域プロデューサー育成セミナーを開催し、3期生47人のプロデューサーが誕生した。
候補地域認定記念のパネル展や普及啓発・調査研究など、12事業に取り組んできた結果、日本遺産認定を掴んだ。
初期段階から関わってきた同推進協議会ストーリー検討ワーキンググループの小樽商科大学客員研究員博士で、地域レジリエンス株式会社の高野宏康代表取締役は、「運河保存運動では官民の連携が上手くとれていなかったところもあるが、ここ数年は若い世代も含めて、小樽を盛り上げていこうとする機運が高いのも小樽の特徴で、これも評価されたと思う。
認定に限らず、小樽の歴史や文化は素晴らしいとの意見はもちろんあるが、文化庁の制度で認められたことは大きな前進。今後日本遺産を生かした活動が重視される。
構成文化財は幅広くあり楽しみ方は無限。歴史的建造物だけではなく、兵庫写真のように、写真に写った小樽・ささやかな市民の暮らしぶりが撮影された写真も構成文化財で、どんどん知ってもらうことで、小樽の魅力を知ることになる。小樽は歴史が浅いと思われがちだが、小樽の歴史を知るきっかけにも繋がる。
オール小樽の人たちをはじめ、若い世代の力やオタルネクスト100のメンバーも頑張ってくれたことも評価された。
観光地だけではなく、小樽をしっかり深く楽しんでもらうためには、どんなストーリーがあるか考え、交流型の観光などコンテンツをしっかりと作っていかなければならない」と今後を語った。
また、「104ある日本遺産の中でも引けを取らない小樽、トップクラスを狙っていけると思う。今後、文化財を活用する取り組みを、どんどんいろいろな所でやっていく必要がある。
ただあるだけではだめ。そこにあるものをどう生かすか、1人1人の力が大事で、町内の文化財を町内会のみんなで活用したり、自分の足元の文化財を活かす取り組みに繋がればと思う。川柳コンテストなど、子どもから大人までが参加できる面白い取り組み。こういうのが一番大事で楽しみでもある」と、認定を維持する方法を述べた。
◎ストーリーの概要と構成文化財「 北海道の『心臓』と呼ばれたまち・小樽」(外部)
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