小樽市内での小学生死亡事案について、小樽市教育委員会(中島正人教育長)と小樽市こども未来部(安倍俊克部長)が、12月25日(水)15:00から市役所(花園2)3階第1委員会室で、事件後初めての記者会見を開いた。
10月18日(金)に市内の女子児童(当時小学3年生)が死亡する事件が発生し、児童の母親を傷害致死の容疑で逮捕。
原因等が明らかになった時点で、同市教委及と同未来部による記者会見を開く予定だったが、札幌地検が母親の精神状態を調べ刑事責任を問えるか判断するとして、2025(令和7)年1月31日(金)までの期間鑑定留置されたことから開催が伸びていた。
学校と当該児童の家庭との対応状況を市教委が、当該児童の家庭との対応状況については同未来部が説明した。
2024(令和6)年度1学期4月8日(月)の始業式から事件当日10月18日(金)までの、学校と当該児童の家庭との詳しいやり取りを資料を配布して説明。
保護者からは当該児童の気持ちの問題を理由に欠席連絡があり、登校日111日のうち出席は13日で欠席は98日もあった。5月と10月の出席した日に身長・体重の計測をした際に、顔・首回り・手足など、肌が見えているところにあざや傷などはなく、授業や活動・会話を通じた様子から虐待の兆候は見られなかった。
市教委は、6月上旬に不登校を把握し、欠席日数が30日に達した7月5日、本人と直接会うように学校に伝えたが、関係機関に相談するようには言っていなかった。
小樽市こども家庭課家庭相談係(現こども家庭係)へ、2023(令和5)年12月4日に、母親から長女が体調不良により1週間程度登校していないため相談の電話があった。
2024(令和6)年1月には、当該児童のきょうだいの10ヶ月健診で母親ときょうだいが来庁し、児童の育てにくさは感じていないことを確認し、今後のフォローは不要と判断。6月には、乳児家庭全戸訪問で自宅を訪問。母親と父親と面談し、父母共に養育状況は安定していると判断。7月に当該児童が医療機関を受診していた。
教育委員会は、今回の事案を受け現時点の対応として、全小中学校に対して、改めて市の指針である不登校対策について内容を確認して徹底指導する。
不登校児童生徒の対応については、困り感を聞き取るとともに、学校現場の状況を把握し、今後支援策に活かすため校長会と協議を行っている。
事件後、市教委の教育コーディネーターとソーシャルワーカーを派遣し、不登校児童・生徒に関する様子を聞き取り、支援策を指導助言している。
市教委と学校が円滑に情報を共有するための仕組み作りが大切となることから、市教委の担当者で協議を進めている。
同未来部は、当該家庭とは昨年12月の電話の後も他きょうだいの検診や訪問での関わりがあり、対応策として、家庭児童相談を担当する係の子ども家庭係、母子保健を担当する母子保健係との間では緊密な連携など検討を行う。
相談対応した際に、積極的な支援の必要性が見当たらない場合でも、あらかじめ相談者の同意を得て、一定期間を経て相談内容に関するフォローを行うこととした。
関係機関との連携については、学校・市教委・同未来部・児童相談所で協議してマニュアルを作成することで、どの部局においても同じ歩調で連携し支援に当たることができるよう取り組みを進めたいとした。
学校では、30日間以上児童に会っていなかったが、関係機関に相談する対応を取っていなかった件について、中島教育長は、「この度の事案を受け、本市の児童生徒の対応について改めて大きな課題をいただいた。
2019(平成31)年に不登校の対応充実を図るために指針を作成した。その時より不登校児童生徒数も増え、指針に対する受け止めや教育委員会の指導は少し弱まっていたところが反省点。
学校だけで問題を抱え、関係機関への相談をしなかったこの度の対応については問題であったと考えている。教育委員会からの学校への指導の在り方も含めて、今後改善を図る必要がある。
30日がひとつの目安となり、小樽市の子どもたちのために作った指針であるため、しっかりと守っていかなければならない」と述べた。
事件の全貌が明らかになった時点で最終的にまとめ、市長が召集する総合教育会議で市長と教育委員で議論した後決定し、再度記者会見を開く予定。
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