市立小樽美術館(色内1・苫名真館長)2階特別展示室で開催中の「絵画で見る“炭鉄港”三人展伊藤光悦・輪島進一・羽山雅愉」に関連して、12月15日(日)14:00から、直江博子創作バレエ研究所(上野亜希子主宰)によるコンテンポラリーダンス「無意識とイシキ」が開催され、事前予約の50名は、展示中の作品を前にダンスパフォーマンスを堪能した。
同展は、夕張・室蘭・小樽の三都市の魅力を感じとり、崩壊と新たな構築の様子を題材にしてきた3人の具象系画家を取り上げ、その絵画の魅力を紹介している。
鉄のまちとして発展を遂げた室蘭製鉄所の圧倒的迫力に触発され、インスピレーションを受けた輪島氏が描いた機械と人間を融合させたアンドロイドを背景に、大江帆那氏が創作演出したコンテンポラリーダンスを、大江氏とゲストの田中啓氏・同研究生の澤奈律希氏と池邊萌雪氏で踊った。
同研究所講師の大江氏は、幼少から同所でクラシックバレエを始め、2013( 平成25)年にドイツに留学し、クラシックバレエやコンテンポラリーダンス・キャラクターダンスを学ぶ。記念講演会等では振付・創作を行っている。
田中氏も旭川で5歳からバレエを始め、フランスやドイツの留学経験を生かし、現在は演出振付作品を発表する傍らフリーで活動中。田中氏・澤氏・池邊氏は、小樽市民会館開館60周年記念講演くるみ割り人形で共演。
同研究所との付き合いが長く、20年以上も前からバレエ教室を取材している輪島氏が、バレエを題材にした代表作を生み出すきっかとなり、2021(令和3)年には同館で輪島進一展「バレリーナを描く身体と時間の表現」を開催している。
今回のバレエを創作した大江氏は、「輪島先生の作品を観て作らせてもらった。すごく難しいなと思いつつ、輪島先生の圧倒される感じを出し、少しでも先生の気持ちになれたかと思う」と述べた。
上野氏は、「輪島先生とのお付き合いは20年以上で、先生の作品の前でバレエを発表できて嬉しい。表舞台よりバックステージが好みで、直江バレエの子どもたちを沢山描いてくれた。室蘭の鉄鋼の輪島先生・空知の伊藤先生・港の羽山先生・星田さん、皆さんに感謝したい」と述べた。
輪島氏は、「会場で拝見していて真っ暗になった時、大江さんはじめダンサーの皆さんが、自分だけに踊れくれているような錯覚を受け、言葉にならないほど感動した。ずっと思っていたことで、言葉にならないから絵を描いていた。言葉にならないからダンスをし、言葉にならないから音楽を奏でるそんな世界のこと。無意識とイシキは、かなり前から思い続けていたことで、大好きな言葉でテーマを作ってもらいありがとう」と述べた。
◎特別展Ⅲ絵画で見る炭鉄港 三人展「伊藤光悦・輪島進一・羽山雅愉」(外部)
◎関連記事