小樽市消防本部では、12月11日(水)12:00から、歳末の混雑が予想される宿泊施設・グランドバーク小樽(築港11)で、防火管理体制が脆弱な夜間の火災を想定した防火管理体制の検証を実施した。
国が示す「旅館・ホテル等における夜間の防火管理体制指導マニュアル」に基づき、最も条件の悪い夜間帯の火災を想定し、初期消火・消防機関への通報及び宿泊者の避難誘導訓練を実施。防火安全性の向上を図ることを目的に、その状況を消防職員が検証している。
夜間に16階の客室のゴミ箱から出火した想定で、同部予防課5名とホテルの自衛消防隊11名が参加して訓練を行った。
16階の客室の火災探知機を作動させ、館内放送で訓練を知らせるアナウンスを流した。自衛消防隊1名が消火器を持参して消火を試みるが失敗。他2名が二手に分かれて宿泊客に火災を知らせ避難するよう呼びかけた。
同予防課保安指導係・畑中大輝消防隊員は、「右側の客室と左側の客室に分かれ、職員2名が火災発生を呼びかけ素晴らし避難誘導だった。訓練ではノックして火災を客室の宿泊客に伝えて避難してもらうが、ノックだけでは分からないので確実に避難させるためマスターキーを使い、ドアを開けて避難してもらう方が確実。
設定タイムが9分のところ、16階の各部屋への火災伝達には約4分4秒、16階全員避難したタイムは4分15秒で、初期消火から避難誘導までスムーズにできた。今後とも自衛消防組織を続けていただきたい」と講評を述べた。
同・佐々木徹也指導係長は、「小樽市内では大きな施設となり、自衛消防隊がきちんと組織され、消防計画に基づいた訓練がきちんとできていた。今後も防災に力を入れてもらいたい」と話した。
杉山琢一フロントマネージャーは、「訓練に参加し緊張した。実際には消防署員が来る前にやらなくてはならないことではあるが良い訓練だった。私たちはお客様を預かる身なので、まずお客様を第一に考え、お客様が安全に安心して避難してもらいたい。もちろん火災が起きないことが一番重要だが、起きてしまった場合には、お客さんが怪我もなく避難できればと思う」と話した。
すでに市内ホテル3件の検証が終わり、同ホテルが今年最後の検証となった。
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