12月4日(水)~15日(日)10:00~17:00、札幌在住の田中康雄さんの個展「3つの写真展 写真は言語」が、モノクロ189点を展示し、市立小樽美術館(色内1)1階多目的・市民ギャラリーで開催されている。
1948(昭和23)年小樽市生れの田中さんは、多摩美術大学に併設開講された多摩芸術学園に入学。写真を学ぶが学校をやめて小樽に戻り、札幌の写真店に勤務。長く深く写真と付き合い、写真検定フォトマスターEXを2005年に取得。
小樽での個展は初めてで、会場を3つ分け、市民ギャラリー1は「斜陽」小樽と題し、1980(昭和44)年4月に日本工学札幌営業所で、30歳代で人生初の個展を開催した作品46点を展示。
フィルムカメラ撮影を4つ切り印刷して手作りの段ボール額装を施している。当時出展した作品には、今では見られない建物などが収められ、第3号倉庫と向かい合う様に倉庫が建っていた様子や、モダンな中畑ビル、跡形もない堺町郵便局など、当時の小樽の貴重な建物や橋なども知ることができる。
多目的ギャラリーには、個展斜陽から半世紀が過ぎた昨年2月に、ニコンのミラーレスの購入を機に、小樽を撮影したA3サイズのモノクロ88点を展示。
半世紀前と比較してゴミが無くなり店舗が綺麗になったが、小樽の人々を豊かにしているか手放しでは喜べないという。
市民ギャラリー2には、「ゼロの発見 December3」と題して55点を展示。今年6月に、エスニックな民芸品を輸入販売しているDecember3へ10回ほど通い詰めて撮影した作品で、仮面や木製の不思議な顔などをモノクロでアップで撮影。怖さが伝わってくる。
田中さんは、「撮影から現像、プリントまで自分で行うことを基本とし、一番写したい部分を正面から撮影する教えを常に心がけてきた。写真は言葉で心を伝えるもの。会場でぜひ素直に見た写真をご覧いただきたい」と話した。
田中康雄「3つの写真展 写真は言語」
12月4日(水)~15日(日)10:00~17:00(最終日15:00)・月曜休館日
会期中は常駐し、8日(日)13:00~15:00に1階研修室で、トークタイム「写真は言語 思いは伝わる」を開催。