小樽フィルムコミッション(事務局・小樽市産業港湾部観光振興室)では、昨年2023(令和5)年7月から12月まで、NETFLIX(ネットフリックス)で独占配信するドラマ「さよならのつづき」(一挙配信・全8話、岡田惠和脚本・黒崎博監督)の撮影支援を行い、小樽市ロケーションマップを制作して、撮影場所を紹介している。
同ドラマは、ヒロイン菅原さえ子(有村架純さん)がプロポーズを受けた日に、恋人が交通事故で亡くなり、その心臓で命を救われた成瀬和正(坂口健太郎さん)と偶然出会い、小樽とハワイの風景を舞台に“さよなら”から始まるラブストーリーで、11月14日(木)17:00から世界同時配信された。
配信に先立ち、主演の有村架純さんと坂口健太郎さんが小樽を訪れ、道内外からファン約400人とレッドカーペットスペシャルイベントを開催し、撮影のエピソードなどを語った。
一足先にイオンシネマ小樽(築港11)スクリーン7で1話と2話の配信後、15:30からオクラホマの河野真也さんがMCを務め、有村さんと坂口さんが舞台挨拶した。
有村さんは、「約4か月小樽の町にお世話になり、エキストラで参加した方々もありがとう。とっても素敵な作品に仕上がることができて嬉しい」と挨拶し、「4話のオロフレ峠では、綺麗な景色の中で、自然と自分の心が動いたのが分かり、撮影前は不安だったが、土地の力を借りて無事に撮影できた思い出のシーン」と、印象に残ったシーンを説明した。
坂口さんは、「この作品は、昨夏に北海道でクランクインして、小樽の町を舞台にいろいろな所で撮影させてもらい、小樽の土地に協力してもらいできた作品。
見たことのある場所だったり親近感が沸く場所があると思う。僕らはどれもが新しくて美しくて、小樽の町で撮影でき嬉しくて幸せ」と挨拶し、「八雲は1週間で8日ぐらい晴れないと、それぐらい言われているらしいが、八雲での撮影は晴れて美しい景色の中で撮影でき、恵まれていて奇跡が重なっていたと感じた。八雲の駅で3話がおすすめ」と話した。
河野さんは、「北海道は絶景だけれどどこか寂しさを感じ、ハワイの温かい景色との対比が余計切なくさせた。北海道は絶景ととらえがちだが、小樽では日常的に暮らしている町並みとか寂しさがあり、すごく魅力的だと思う」と語った。
予定時間より少し遅れ、レッドカーペットイベントが、小樽港マリーナにファンも移動して始まり、気温6℃前後のかじかむ寒さの中、リムジンで登場した有村さんと坂口さんを見て、ファンの熱い歓声が飛び交った。
主演の2人は、レッドカーペットに連なるファンに手を振ったり握手に応じたり、アットホームな雰囲気が漂う中、ピアノがセットされた正面ステージに登壇。
坂口さんは、ピアノを弾くシーンでは自ら演奏したこともあり、小樽でピアノ演奏を披露。「クランクアップしてピアノから解放されたと思ったが、釜山国際映画祭でも演奏。今日のためにも練習してきたがお手柔らかに」と控えめに挨拶し、有村さんは「ピアノの先生とどんどん練習する中で、ここまでできるのなら、こうしようとどんどんプラスされていた」と、目まぐるしい成長ぶりを語った。
大勢のファンに応えるように、かじかむ手でピアノ演奏を披露すると、大きな拍手が送られ、「寒さじゃない緊張と踏み外した」と弁解したが、有村さんは「なんのブランクも感じられない」と褒め称え、河野さんは「このために準備してくれてすごく嬉しい。小樽の町にピアノが響いた素敵な時間」と感謝した。
17:00からの世界同時配信スタートを記念し、会場には月をバックに花火が打ち上げられ、有村さんは「ようやく皆さんにお届けできる。主題歌も物語に良い影響を与えていてグッときてしまった」と涙を浮かべた。
最後に坂口さんは、「この作品は小樽で撮り始め、半年以上時間をかけて撮影した。作品は、作った後皆さんに届けられると皆さんのものになると感じている。小樽から始まり、ニセコや倶知安などいろいろなところで撮影し、小樽は作品の中で大きな登場人物だと思った。皆さんも出会いだったり別れだったり、作品が皆さんの心の中に大切なものとして残り、育っていってくれればと思う」と期待した。
有村さんは、「物語を見て、自分が生きてきた中で出会った大切な人や過去の出会いを、過去も今もすべて包み込んで、改めてその方たちを思い直すきっかけとなる作品となれば嬉しい。小樽の皆さんは温かい人ばかりで、皆さん無くしてはこの作品は完成できなかった、ありがとうございます。今日から8話一気見できるので楽しんでください」と笑顔で語った。