9月26日(木)の美術市展を皮切りに開幕した2024(令和6)年度第75回小樽市文化祭は、市立小樽美術館(色内1)1階市民ギャラリーと多目的ギャラリーを会場に、最終回を飾る押し花アート展と小樽ユース展が、10月30日(水)〜11月3日(日)で開かれている。
花遊び色遊び押し花の会(谷岡洋子代表)による押し花アート展は、今回12歳〜90歳代の男女16名・52点を展示。各会員が自宅の庭で育てた花や購入した花を使った個性溢れる作品が並んでいる。
川原さんは、昔旅行に行った思い出のプラハを写真から作品にし、花や草だけではなくビーズやレースなど、いろいろな素材とコラボレーションした。
物語を題材に押し花作品を毎年発表する、佐藤敏枝さんの今年は竹取物語。昨年はみにくいあひるの子を制作し、和と洋を交互に意識して制作している。どれも押し花から作っているとは思えない色鮮やかさや精工さに注目を集めている。
かぐや姫の黒髪は茄子の皮で見事に表現し、満月は菊の花びらを丁寧に張り付け、竹林の竹は笹の葉を活用。おじいさんの肌色の顔はバラの花びらで、何かに使えると思っていた芋がらも籠や柵にした。芋がらは期待以上に良い仕事をしてくれ、佐藤さんにとっては、葉や野菜も大事な押し花素材だ。
谷岡代表の作品は、白樺の皮を押して森を表現し、10匹配置した人気のシマエナガの愛くるしい表情にも工夫があり、今回初公開のレカンフラワーを使用した作品も並んでいる。
遊び心からレカンフラワーをバレエのドレスに見立てるなど、様々なアイディアで作品の幅が更に広がったという。
同代表の師匠で、押し花コラージュ作家・たけだりょうさんが来場し、「小樽ならではのナチュラルで優しい気持ちが作品から感じられる。ストーリー性のある作品もあった。北海道しかない花を使って、それぞれの土地の雰囲気で作品も違ってくる」と話していた。
谷岡代表は、「皆さん自由に制作している。レカンフラワーに挑戦し作品も発表、ぜひ会場でご覧いただきたい」と話した。
同時開催の第18回小樽ユース展は、ほぼF3号サイズに合わせ、小樽桜陽高等学校10点・小樽双葉高等学校7点・北海道高等聾学校11点・小樽潮陵高等学校14点を展示。
人物や動植物など、それぞれに描きたいもの描き、高校生の若い感性が光る作品を一堂に展示している。
押し花アート展・第18回小樽ユース展
10月30日(水)〜11月3日(日)10:00〜15:00(最終日16:00) 入場無料