小樽市教育委員会(中島正人教育長)が、市内教員や保護者・民生委員を対象に、10月25日(金)に市立長橋中学校(長橋4・伊藤仁弥校長)体育館で、2024(令和6)年度不登校対策研修会を行った。
全国に4.6万人もいる不登校児童・生徒がおり、 新たな不登校児を生まない取り組みや、自立支援に向けた取り組みを進めるため、市内では、同校内に唯一の校内教育支援センターを設立し、その実践を発表した。
不登校やその傾向にある生徒の学ぶ機会を保障し、社会的自立を目指し活動する場として、今年4月に同校3階の教室で、”校内支援センターこねくと”を立ち上げ、その概要を宮﨑貴宣教諭と不登校対策コーディネーター・向井義典教諭が説明した。
月〜金曜日9:00〜12:00に開設され、1学期でのべ131名、10月は77名が利用。1学期利用者のうち4名が教室へ復帰。2学期からは2年生5名が利用を開始。校内に安心・安全な居場所ができたことが一番の成果だという。
また、学習の機会を確保でき、学習不安の生徒が少しでも自信を取り戻す機会と自分を見つめ直せて、学校には来れるが教室に入れない生徒の充填場所となり、教職員の負担軽減に繋がるなどの成果が見られた。
また、不登校の未然防止と不登校児童の自立支援に向けた取り組みの研究を行っている大阪成蹊短期大学グローバルコミュニケーション学科・中野澄教授を招き、「不登校の取り組みを支える2つの生徒指導体制」について講演。
子ども主体の活動を授業以外で行い、その時にやるかやらないか、子どもたちがワクワクドキドキする設定の仕方に智恵を絞り、選択肢を一生懸命考えることが発達指示的生徒指導の自発的を生み出すコツだと訴えた。
中野教授は、大阪市内中学校に勤務し、 2002(平成14)年4月からは寝屋川市教育委員会、2004(平成16)年から大阪府教育委員会、 2014(平成26)年4月から文部科学省国立教育政策研究所生徒指導・進路指導研究センターを経て、現在は同短大教授となる。文部科学省時代から魅力ある学校づくりなどの研修会でアドバイスをもらっている。