小樽市保健所(富岡1・田中宏之所長)生活衛生課主催の有毒植物による食中毒予防講習会が、10月24日(木)10:10から市総合福祉センター4階研修会議室で実施され、市民約30名が参加した。
「有毒植物による食中毒の予防」をメインテーマとして、北海道道立衛生研究所生活科学部薬品安全グループ・髙橋正幸主査を講師に、植物写真などの資料を交え、間違えやすい有毒植物と食中毒事例、有毒植物による食中毒を防ぐための取り組みについて講演された。
小樽市では、2019(平成31)年~2022(令和4)年の4年間、有毒植物を原因とした食中毒が続けて発生。類似の植物が多く見分けにくく、これらの植物は食べられるのか判断が難しいため、専門家から注意点を学ぶ貴重な機会となった。
髙橋主査は、今年5月札幌で発生したイヌサフランを誤食して2名が死亡する事案や、無人販売所で毒キノコを販売してしまって事案など、身近に起こっている事案に触れた。
近年有毒植物による食中毒の発生が増加傾向にあり、2000(平成12)年から2023(令和5)年まで北海道では42件発生し、国内で一番多く、続いて山形・新潟と、東日本に多い傾向があり、1年のうちで4月や5月の植物が芽を出す時期に増えるという。
食中毒患者の約半数は60歳以上で、道内の原因植物種の1位は、ギョウジャニンニクと間違えやすいイヌサフランだった。
ニリンソウと間違えてトリカブトを食べて死亡した事例をあげ、市内で撮影したトリカブトの写真も紹介し、山菜に詳しいはずでも間違えやすい有毒植物があると説明。
庭や野山の有毒植物による食中毒防止のため、食べられるかどうか判断のつかない山菜は採らない・食べない。山菜などと有毒植物が同じ場所に混ざって生えることがあるので、混ぜて採らない。調理する前にもう一度確かめ、採った山菜をみだりに人に譲るのはやめるよう伝えた。
同所生活衛生課試験検査グループ・佐藤悠平氏が、もうひとつの議題・市民の目に触れることの少ない保健所の検査「食品検査・環境衛生検査・環境対策検査・その他の検査」について説明し、「市民の健康をサポートし環境保全に尽くしたい」と締めくくった。
参加した女性は、「庭に咲いている植物に興味があり、食べられるかどうか気になるところだが、今日の話は勉強になった。今後は、キノコについて話を聞きたい」と話していた。