2024(令和6)年度第75回小樽市文化祭に合わせ、小樽盆栽会(毛利昇代表)の盆栽展が、10月18日(金)から市立小樽美術館(色内1)1階多目的ギャラリーで始まり、大勢の盆栽愛好家が来場し、鉢の中の奥深い秋を鑑賞していた。20日(日)まで。
盆栽は、自然の景色を鉢の上に凝縮させ、創る・育てる楽しみを味わう奥深い趣味のひとつで、盆栽愛好家が自由にのびのびと盆栽を楽しむ展示会にと、昨年から公募展を中止している。
今回は、小樽盆栽会25名の29席と盆栽教室受講生5名の5席を展示。近年盆栽を楽しむ女性が増え、扱いやすい小品盆栽が増えている傾向にあるが、樹齢300年以上もの一位(いちい)などの盆栽も出展され、日頃あまり目にしない盆栽がずらりと並ぶ貴重な機会となっている。
主木に合わせた下草や添え木には実ものや花が咲いている物をセットに、秋の風情を強調。赤い実の姫りんごや梅もどき・真っ赤な葉の竜神蔦・草紅葉、タイミング良く咲いた糸らっきょうなど、秋の季節限定の盆栽が会場を華やかにしている。
入会8年の浅妻信志さんは、主木に根の太さに価値が決まるという真柏、下草に雪の下、添え木の紅色の葉は竜がうねる様子を印象づる竜神蔦の小品盆栽を出展。
渡辺一男さんは、鉢からこぼれた真柏、崖からこぼれそうな松をそのまま形に「懸崖(けんがい)」を再現し、針金で上手く形を整え、鉢の中に自然な景観を大事にした見事な作品で、来場者は興味深く見入っていた。
入会3年目の間瀬廸子さんは、主木になる真柏を添え木に、岩づる梅もどきを主木にして、黄色葉と赤い実をつけ堂々としているために選んだといい、下草に紫陽花をセットに小品盆栽を出展。
会場でただ1人だけ努力賞に輝いた入会3年目の鹿内美雪さんは、枯れてしまいそ
うだったピラカンサや楓を丹精込めて育て、ピラカンサの黄色の実をたわわに実らせ、楓も紅葉させて季節感も完璧で、「盆栽は楽しい。秋に咲く花があることを初めて知った。いろいろな花を見て楽しく育てている」と笑顔で話していた。
主木を苔玉・下草にベゴニア・添え木にチェリートマトなどを使った、盆栽教室受講生5名の作品も並べ、1年間の集大成を発表していた。
毛利代表は、「秋の季節でなければ見られないものが沢山ある。ぜひこの機会に来場して鑑賞して」とPRした。
毛利代表が講師を務める2025(令和7)年度盆栽教室の生徒を募集している。受講料無料・材料費5,000円程度。問合せ:080-1971‐3933・FAX:0134‐22‐3933 小樽盆栽会事務局まで。
10月19日(土)・20日(日)は、美術館1階ミーティングルームで、小樽市文化祭関連事業の茶道裏千家淡交会小樽支部によるお茶会を無料で開催する。