小樽市教育委員会では、観光振興公社の協力による社会科学習の一環で、市内小学4年生を対象に、港内遊覧屋形船“かいよう”に乗船し、小樽観光ガイドクラブ会員の講話を聴きながら、小樽の歴史を学ぶ乗船学習を実施。
今年度15校・603名が参加する予定で、6月18日(火)に高島小学校からスタート。9月18日(水)は桂岡小学校(山際昌枝校長)4年生13人が参加し、悪天候で中止となった長橋小学校が最終日25日(水)の予定。
穏やかな秋晴れとなった18日、担任教諭と山際校長に同行され、バスで訪れた子どもたちの中には、初めて乗船する児童も多くワクワクした様子がうかがえた。
同ガイドクラブの下村出さんと小山克満副会長・大塚英典さん3名が本日のガイドを担当。乗船前に注意事項を伝え、救命胴衣の着用の仕方を学び、第3ふ頭→北防波堤→南防波堤をUターンする乗船時間50分ほどのコースで乗船。
子どもたちは、「昔から今へと続くまちづくり」の「港づくり」について、廣井勇や伊藤長左衛門の防波堤づくりの対する願いや工夫・努力・苦心により小樽港の整備が進み、小樽の人々の生活が向上したことなどについて学んでいる。
下村さんは手描きの資料を見せながら、小樽港がまわりを山に囲まれた自然の港で、ふ頭が6つあることを強調し、説明に合わせ写真を見せて紹介し、子どもたちにより印象付けた。
赤い灯台と白い灯台が見えてくると、250m離れている2つの灯台を、7日に寄港した13万トンの大きなクルーズ船「カーニバル・パノラマ」も通ることができると伝えた。
世界で初めてコンクリートブロックを斜めに積み上げ、さらに強度な防波堤を作るためにコンクリートに火山灰を入れて北防波堤を作った廣井勇について紹介。115年前もの長い年月に耐え、実際に斜めに積まれた防波堤を船の窓から見物した。
また、南防波堤を作った伊藤長右衛門の特徴のケーソン(桝を大きくした形)は、陸上で作り、ダグボートで運んだという。
中央ふ頭にある中央サイロは、5万トンの家畜の餌を保管できる大きなサイロであることや、ガントリクレーンと呼ばれるキリンに似ているコンテナを積んだり降ろしたりする大型クレーンについても説明された。
子どもたちからは、乗船中の屋形船について質問があり、東京湾で観光のために使われ、北海道にはただ1つの屋形船だということが分かった。
学び終えた児童の1人は「初めて屋形船に乗り、小樽の歴史について沢山学べて良かった」と話し、もう1人は「晴れてて景色も良かったし、ガイドさんの説明も良かった。初めて乗って楽しかった」と満足した様子だった。
下村さんは「教室でも勉強すると思うが、先生も児童もこのような経験は初めてだったと思う。このように乗船しながら歴史を学ぶことができる、小樽ならではの授業はとても良いと思う」と話した。
◎関連記事