小樽市立花園小学校(花園5・若林晋校長)で、8月23日(金)13:30から、公益社団法人北海道海事広報協会・公益財団法人海事広報協会・北海道内航海運組合主催の海洋教室出前授業が実施され、5年生31名が海洋の重要性を学んだ。
国立研究開発法人海洋研究開発機構(ジャムステック)の田代省三アドバイザー、国立小樽海上技術短期大学校・中山信一郎副校長と前田善弘教務課長が講師を務めた。
しんかい6500のパイロット経験のある田代アドバイザーから、深海の生き物などや海に重要性について説明があり、「四方を海に囲まれている日本は、食料の約60%・エネルギーの約90%とほとんどの物資を船が輸送し、船無しでは生きられない。特に北海道は、必要な物資の93%をフェリーを含む内航船舶が輸送している。
日本の陸地面積は約38万㎢だが、領海と排他的経済水域を合わせると約447万㎢で国土の約12倍。世界で6番の広さで、海洋エネルギー・鉱物資源の開発及び水産資源の利用を排他的に認められている貴重な場となっている。
期待されている海底資源の熱水鉱床・マンガン団塊vメタンハイグレートなど、日本の海には大量にあるが、日本は広大な海を水産資源以外にほとんど活用していない。
海洋からの再生可能エネルギー・風力発電・波力発電・海流発電などが得られるところだが、温暖化に伴う気候変動が起こり、陸上での失敗を海では絶対に繰り返してはならない」と強調した。
質疑応答では、しんかい6500についての質問が相次ぎ、エンジントラブルはあるか、潜っている時の食事やトイレ・酸素についても聞いていた。
次に中山教育主事が、陸上の部分は簡単に書かれた船が航行するための海図について、緯度や経度、海図に東西南北の方位を示すために置かれる図形のコンパスローズ(羅針図)などを説明した。
同大学校・前田教務課長は、ロープワークについて指導し、船で使う最強の使い方、ほどけなくてほどけやすい結びかた「もやい結び」を体験した。児童たちは何度も繰り返し練習し、教え合っていた。
若林校長は、「皆さんは学校から海が見えるのは珍しく幸せなことで、ぜひ海に関心を持ち、将来、海の仕事に携わる人がいると嬉しい」と挨拶した。
授業を受けた子どもたちは、「ロープの結び方は難しいが、上手にできるようになった。体にも結べた」と話し、別の児童は「ロープの結び方や潜水艦を知ることが出来て良かった」と満足していた。
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