小樽史談会 小樽住ノ江火の見櫓の話

 8月20日(火)14:00から市立小樽美術館(色内1)1階研修室で、小樽史談会(浜谷会長代行)8月例会が開かれ、16名が参加する中、小樽住ノ江火の見櫓の話について、小樽住ノ江火の見櫓をまもる会の早川陽子代表が講師を務めた。

 

 早川陽子設計室(入船1)主宰者の同氏は、一級建築士の観点から、小樽の建築について、日常にある風景として、港・鉄道・運河・歴史的建造物があり、海を眺める間取りを設け、元々のデザインや素材を尊重することを心がけているという。

 

 小樽住ノ江火の見櫓は、半鐘を叩いて火事を知らせる防火施設として、1927(昭和2)年入船十字街の住ノ江会館の隣に、地元の中嶋鉄工所が建設した。

 

 会館の建替えに合わせ、1986(昭和61)年に坂の上約35m先に移転し、所有者が町内会から小樽市消防団第6分団に移り、2021(令和3)年で94年が経つ火の見櫓の安全面と維持管理費用の問題から解体の危機となり、2022(令和4)年3月25日に火の見櫓の保存活動を目的に同まもる会が発足された。

 

 代表を早川氏、副代表に小樽朝里の会まちづくりの会の中一夫副会長・高野宏康小樽商科大学客員研究員が務め、同年6月5日に所有権をまもる会に無償譲渡された。

 

 同まもる会は、残したい小樽の風景・地域の宝・築95年「小樽住ノ江火の見櫓」再生活用しまちを元気に」を活動テーマに、楽しく守っていこうと役割を分担し、改修のための助成金の獲得に尽力。

 

 早川代表は、「今後は、登録有形文化財に登録に向けて活動を行い、きれいになった火の見櫓を地域住民に知ってもらうために、ペーパークラフト制作・街歩き・スケッチ会を行いながら、住民が育てる地域遺産を目指している」と締めくくった。

 

 質疑応答では、高島厩地区でも火の見櫓があったや、火災を見つけて知らせるものがったが、戦時中は空襲警報に使われていたなどの情報提供もあった。

 

 同史談会員の林さんは、「住ノ江の火の見櫓の近くに住んでいるのでいつも見ている。歴史については知らなかった。保存運動を聞き心に残った」と話していた。

 

 同史談会は1970(昭和45)年に創立。毎月1回の例会を実施し、公開講座は外部からの講師を招いて実施している。

 

 9月の例会は、9月11日(水)14:00〜15:40同場所で「住吉屋西川家と小樽」と題して、同会会員の高野氏が語る。

 

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