小樽医師会(鈴木敏夫会長)では、ウイングベイ小樽済生会ビレッジの協力を得て、8月17日(土)12:00からウイングベイ小樽(築港11)で、子宮頸がん・HPVワクチン接種の検討を呼びかけるチラシやうちわを通行人や買い物客に配布した。
日頃から啓発活動に尽力している、小樽協会病院産婦人科部長・黒田敬史医師と息子さん、北海道済生会(小樽)ソーシャルインクルージョン推進室・土谷浩大さんも協力。
20〜40代の女性に多く、日本では毎年約1万人が子宮頸がんと診断され、約2,900人が子宮頸がんで亡くなっている。(国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」より)
原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)の感染を防ぐことができるのがHPVワクチン。国内外で80%以上の予防効果があったと報告されている。
積極的奨励を差し控えていた間に、定期接種の機会を逃した人のためのキャッチアップ接種が、2025(令和7)年3月末までに終了。2〜3回の接種を推奨しているため、標準的な接種間隔であれば接種完了まで6ヶ月かかり、今年9月までに1回目の接種を開始する必要がある。
キャッチアップ接種の対象者は、小樽市内に住民登録がある1997(平成9)年4月2日〜2008(平成20)年4月1日生まれの女性で、定期接種は小学校6年生〜高校1年生相当が対象。
国は、2013(平成25)年〜2021(令和3)年にHPVワクチン接種の積極的奨励を控えていたが、HPVワクチンは筋肉注射のため、接種後の副反応として一時的な痛みや腫れが見られることもあり、多くは数日で消失する。
接種による有効性が、副反応のリスクを明らかに上回ると認めたことから、2022(令和4)年度から積極的奨励が再開され、接種に迷っている人や不安に思う人などは、市内委託医療機関に相談するよう呼びかけている。
黒田医師は、「ワクチンの副反応が怖いという人の心情も分かるし、接種後の副反応のため追加接種ができない人もいるため、皆で打ちましょうと積極的に推し進めるのが難しい話ではある。ただ、女性の未来や子どもたちのこと、街の未来を支えるために、若くして発症する1つのがんがワクチン予防できることの大切さを1人でも多くの人に分かってもらえたらうれしい。
1度しっかり考えて、希望する人は期間内に接種をしてもらいたい。かかりつけの病院で受診の時に相談もできる。家族みんなで話題にして考えてもらいたい」と話していた。
また、済生会ビレッジでは、今後9月末までビレッジ敷地内でチラシやうちわを無料配布し、情報提供を行っているので、ウイングベイに立ち寄るついでに手に取ってもらえるとうれしいとも話していた。