現代美術とパフォーマンスの祭典・脳動芸術祭8/16〜18

 市立小樽美術館協力会(秋野治郎会長)と冬虫夏草(佐藤リム代表)の共催事業脳動芸術祭が、同館(色内1)多目的・市民ギャラリーを会場に、8月16日(金)~18日(日)の3日間限定で開催される。

 

 現代美術と実験パフォーマンスの祭典を演じる人も見る人もこれまでにない刺激を受けるとして、「日常では触れる機会の少ない脳の震えるような実験的・前衛的な作品やパフォーマンスに出会う」をコンセプトに、「脳動芸術祭」と名づけて開催。入場無料で投げ銭大歓迎。

 

 今年2024(令和6)年2月水煙草喫茶冬虫夏草(富岡1)で、小樽在住の舞踏家・田仲ハル氏と同店オーナー佐藤代表が暗黒舞踏バーを開催。観客だった星田七重美術館学芸員が「市民ギャラリーが空いているので何かできることがあれば」と声をかけた。

 

 田仲氏は、「夜に面白いことをやっている人が多いが、一部のコアなファンだけを楽しませている。公的な場所で、子どもや大人・観光客などに見て楽しんでもらいたい」と、繋がりのある人に声をかけ、フランスや東京からも出演者が集まった。

 

 現代美術の展示には、富樫幹氏・Aki Yo氏・景[KEI]氏・ITO AOI氏・松本心音氏と同館所蔵の一原有徳氏の作品が並ぶ。

 

 余市在住の景[KEI]氏は、現在、この芸術祭のために出展作品として、関係者の体のパーツを使ったコラージュを4m×1.8mサイズで製作中。

 

 平面だが鏡を忍ばせていて、見る人によってどんな物に見えるか・誰の体のパーツかは、会場でのお楽しみ。本人自身も楽しみながら製作しているという。

 

 Aki Yo氏は美術とパフォーマンスどちらにも出演し、一原氏のブラックホール作品と対でホワイトホールという作品を展示する。身体パフォーマンス兼人間現代美術を3日間披露する。

 

 パフォーマンスの1日目は、MUTO氏が、マグネットが付く音だったり何気ない日常で出る音をマイクで拾い、機械に集めて空間系の音にした音響彫刻とコラボ。2日目は北海道のテルミンユニットのバブーシュカ。3日目は即興音楽やボイスの蜂谷真紀氏とコラボする。

 

 他では見られないレベルの高いパフォーマンスが、1日4組(初日のみ3組)出演し、若手やベテランも入り乱れる。

 

 佐藤氏と田仲氏がギターで参戦し、その音を新葉氏がエフェクターでひずみかかった音にするなど、多彩なプログラムで展開。

 

 小樽でのパフォーマンスは初めてのモダンダンサー・タイラハルカ氏は、インパクトあるフライヤーにも掲載。札幌在住で、幼少期からダンスを始め、小4からモダンダンスの第一人者・能藤玲子氏に師事。途中で離れた時もあったが、大学に入ってやっぱり踊りが好きだと、人生哲学や舞踏哲学に共鳴し、再び能藤氏に指導を受けている。

 

 デザイナーでミュージシャンのShohei Takata氏と田仲氏がコラボしたり、フランスから日本ツアー中のフリージャズサックス奏者の岩瀬久美氏、国内外で様々なライブやコラボを重ねている蜂谷氏も東京から参戦し、見逃せない3日間となる。

 

 17日(土)に、初心者大歓迎の子ども向け英語で踊ろうとダンスワークショップも開催。講師はタイラ氏。

 

 18日(日)は世界最古の電子音楽「テルミンに触れよう」。講師はバブーシュカ。どちらもカンパ制で11:00~12:00。

 

 タイラ氏は「難しそうと思わないで、脳みその冒険のように飛び込んできてほしい」と、景[KEI]氏は「年齢関係なく楽しめると思う。言葉なんていらないから海外の人もぜひ」、佐藤氏は「おじいちゃんからおばあちゃん、世代も関係なく来てほしい。久しぶりに楽しい体感ができる」、田仲氏は「開催期間中はお盆。帰省組が、小樽ですごいのがやってた・また小樽に帰りたい・まんざら小樽も捨てたもんじゃないと思ってもらえれば」と、来場を呼びかけている。

 

 ◎小樽美術館市民ギャラリー〜脳動芸術祭(外部)

 ◎脳動芸術祭スケジュール(PDF)

 ◎関連記事