市立小樽文学館(色内1・亀井志乃館長)で開催の特別展「さあみんな、紙芝居の時間だよー昭和の教育紙芝居展」最終日8月4日(日)に、最後の関連事業が14:00から同館1階研修室で行われた。
同展は、2020(令和2)年に小樽市立長橋小学校から紙芝居167冊、2022(令和4)年に市民から夕張・日吉保育園旧蔵の273冊の寄贈を受け、同館が誇る充実したコレクションを紹介しようと、昭和20年代〜40年代の貴重な作品を中心に展示紹介した。
紙芝居に興味を持つ17名が参加し、読み聞かせユニット・たるBOOKの中川めぐみ代表・外園知代さん・工藤七生さんが交代で、8編の紙芝居を紹介して紙芝居の世界を堪能した。
工藤さんが、声のトーンを紙芝居の出演者何人もの声に変えながら「しっぺいたろう」を、歌も交えて楽しそうに丁寧に読み、来場者は、紙芝居の世界へ吸い込まれていった。
外園さんは、蝋燭屋の老夫婦に授かった人魚の子どもの話「赤い蝋燭と人魚」を読み上げ、参加者はストーリーの展開に心を躍らせた。
中川さんは、札幌在住でイラストレーター&デザイナーの佐藤正人さんが、今日のイベントに合わせ完成させたばかりの「消防犬ぶん公」を読み聞かせした。会場には作者の佐藤さんも来場し、じっくりと自分の描いた紙芝居を鑑賞した。
「泣いた赤鬼」「おやゆび姫」「つぼの中の大男」「おむすびころりん」と名作が続き、最後は、尾崎紅葉の有名な小説の“貫一お宮”で知られる「金色夜叉」の続編が紹介された。
寛一とお宮のその後について続編を聞くことや、大人向けの紙芝居が初めての人も多く、童話から小説までいろいろな紙芝居の読み聞かせで、午後のひと時を有意義に過ごしていた。
亀井館長は、「金色夜叉は、熱海の海岸の後はどうなったのか知らなかったが、先の話が分かった。いろいろと読んでいただき、読み手が変わると雰囲気も変わって良かった。
赤い蝋燭やおむすびころりんは再演していただいた。60年~70年も経つのに、ちゃんと保管してくれた人がいて、話が蘇る良い機会だった。今日までの企画展なので、紙芝居の世界を楽しんでくさい」と挨拶した。
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