総合福祉センター移転に反対 小樽市長と語る会

 小樽市(迫俊哉市長)では、7月12日(金)15:30から総合福祉センター(富岡1)4階研修室で実施し、同センターをウイングベイ小樽(築港11)1番街4階への移転決定に反対する市民や詳細を知りたい市民ら45名が出席し、迫市長ら関係者8名が対応した。

 

 同センターは、1970(昭和45)年に建設されてから50年以上が経過し、老朽化への対応や利用環境の向上等を検討した結果、ウイングベイ小樽へ移転する方針を決定。保健所と一体となったセンターとし高齢者の健康増進も確保できるとした。

 

 移転後は、娯楽室・点字図書館関連施設・会議室・研修室などは、現在の施設と同規模の設備を維持し、広いワンフロワーでバリアフリー対応。

 

 保健所とこども未来部こども家庭課(こども家庭センター)が、12月に先行して移転し、同センターは2025(令和7)年3月下旬に移転し、4月1日(火)を開館予定日としている。

 

 同センターには1回100円で利用できる風呂(ラジウム温泉)があり、1日65人も利用する市民の憩いの場にもなっているが、それが無くなることから衝撃を受けている市民も多く、「総合福祉センターのお風呂をなくさないで」の会(佐藤右子代表)も発足された。

 

 25年も経過した同小樽に、なぜ移転するのか、建替えはできないのか、風呂も使えなくなり、利用者の声も聴かずに決めて良いのか、サークルで利用しているがウイングベイまで行けるか、例会が持てるのか心配、減便されバスの本数も少ない中、これまで通りにはいかない、20年間ここの風呂に世話になっているのになぜ無くするのかなど、市民からは様々な質問が続出した。

 

 移転を決めた経過について、市長は「1970(昭和45)年に建設され老朽化が進み、保健所の老朽化もあり、早急に対応できスピード感を持って決めた。

 

 ウイングベイ小樽を運営するベイシティ開発との間でウエルネスタウン構想があり、福祉健康を守っていくまちづくりを進めている。質の高いサービスが提供できる。

 

 1年間で1億5千万円の賃料で契約し、市民の意見を聞きながら有効に活用したい。移転の際には、サークル活動にもしっかりと対応し、バス事業と協力したい」とした。

 

 高い賃料を払ってまで移転する必要があるのか、建替えする場合との比較はしなのかについては、福祉センターのみを建て替える場合には18億〜20億が必要となり、改修費は、10年間毎年1億5千万円ずつ支払い、最初の10年間で賃料と合わせて30億円が必要と知らされた出席者からは、「納得できない、考えてほしい」と強い意見が出た。

 

 市長は「これらを覆すのは現実的には難しい」とし、市民からは「乱暴だ。もう一度検討してもらい、大事なものは市の中心部に置く。賃貸する施設ではない。検討してみる価値がある」と意見をぶつけたが、「変更は難しい。皆さんの意見をより検討したい」に留めた。

 

 通常90分内での会だったが、予定より25分延長され、市長は、「改めて庁内で整理し、費用対効果の問題・人の流れ・議会について、しっかり説明できるよう日を改めたい」と述べ閉会した。

 

 ◎社会福祉法人小樽市社会福祉協議会(外部)